ムービングデーの3日目、前半短いパットを外しボギーを重ねたがバック9で盛り返し単独トップのブライソン・デシャンボーに5打差の5位タイ。優勝賞金430万ドル(約6億6600万円)のビッグイベントで最終日どこまで上位に詰め寄れるか楽しみだ。
日に日にグリーンの硬さが増し選手たちを苦しめたパインハーストNo.2。13番パー4ではこの日首位スタートのラドビッグ・アバーグと5位タイから出たトニー・フィナウがグリーンを外すと、3打目のアプローチが反対側のバンカーまで転がり、そこから再びグリーンを横断して外へ、目を覆いたくなる展開を経て結局2人とも5オン2パットのトリプルボギーを叩きリーダーボードを滑り落ちた。
そんななか松山は2オーバ−37で折り返したものの後半に入るとアイアンが冴えまくり11番からの4ホールで3バーディを奪い息を吹き返した。
圧巻だったのは14番461ヤードのパー4。フェアウェイからのセカンドショットは片手を離しミスショットか、と思わせたがピンそばにピタリ。そしてバーディ!
「出た! マツヤマのワンハンド!」
と現地の放送でアナウンサーが声を上げた。普通手を離せばミスが定説。「でもマツヤマは違う。
ワンハンドでもナイスショットにしてしまう。伝家の宝刀マツヤマのワンハンド!」と感心した。
最終ホールでティーショットがウェイストエリアに捕まりパーセーブならずにイーブンパー70でフィニッシュ。2日目に出した全体のベストスコア66と比べると見劣りはするが順位は3つ上げ5位タイで最終日を迎えることになった。
インタビューでは相変わらず素っ気ない松山。後半盛り返したのは「まぁ、良かったです」。「最後はもったいないボギーでした」と言葉少な。米メディアも「マツヤマは自分に厳しい。我々が見てナイスプレーでも彼は決して納得しない」と解説した。
憧れの人ペイン・スチュワートが99年に優勝したパインハーストNo.2でデシャンボーが2度目の全米オープン制覇をするのか? それとも2位タイのローリー・マキロイが3打差を逆転し10年ぶりのメジャータイトルを掴むのか?
はたまた松山の戴冠はあるのか? 2日目にマークした66を出せばまだチャンスは十分ある。