地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房の「飛ぶスペック」を週イチで紹介! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

シンプルでクセが無いドライバー

連載23回目は東京都目黒区碑文谷に工房を構える「スパイグラス」の玉嵜秀人さんがおすすめする1本をご紹介。30年以上前にゴルフ雑誌業界で働き、中古ショップを経て現在の工房と中古クラブが対になった「スパイグラス」をオープン。実は高校時代にボクシング県大会優勝、その後日体大を卒業して「青年海外協力隊員」としてモロッコのナショナルコーチ(ボクシング)を担当した異色の経歴を持つ。ちなみに工房は有名な「スイング碑文谷」からすぐの場所にある。

「まず試打をしていただく際には練習場ではなく、実際にコースで試して頂いてから購入してもらうことを徹底しています。私が勧めたから良いクラブではなく、ご自身が実際に使用したフィーリングや感覚を大事にしてほしいという想いからです。また万が一合わない場合に備え、リセール価格が落ちにくいようなクラブをお勧めしています。それは下取りのような感覚で、合わないクラブを中古ショップなりオークションサイトで売り、様々なクラブを試すためにお金を確保できるようにすることが理由です」と金銭的にも考慮した気配りが感じられる。そして工房を始めて一番の喜びについて聞くと「自分が作ったクラブで大会に優勝したり、高校時代や小さい頃から知っているお客様が大人になって、社会的立場が上になっていたりと、ゴルフの成長以外に、人として大きくなっていることがとても嬉しく感じています。様々なご職業の方とお話する機会っていうのも、この仕事の魅力かもしれませんね(笑)」とのことだ。

画像: スパイグラスの玉嵜秀人さん

スパイグラスの玉嵜秀人さん

「ロッディオ『M-tuning』とロッディオ『NPシリーズシャフト ★』がおすすめ」と玉嵜さん。ロッディオシャフトは全体が大きくしなるため、いい意味で “クセが無い” シャフトだと思っています。今回は45.75インチで飛ばしの要素を強くしましたが、方向性重視に少し短めにするなど当店では好みに合わせてバットからカットしていきます。短いほうが芯に当たる確率は高くなると思うので、短くすることでクラブ全体のバランスも合うかもしれません。ドライバーを別のスウィングとして考える人と、なるべく感覚は変わらないように振りたい人でも変わると思います」(玉嵜さん)

●ヘッド/ロッディオ M-tuning (10.7度)

画像: ロッディオ M-tuning

ロッディオ M-tuning

「M-Tuning」は、新設計のボディ形状より、更なる剛性UPを達成し、打球フィーリング向上のためにフェース部も素材から肉厚設計まですべてリニューアルしている。継承すべきところは継承し、進化すべきところは妥協を許さず徹底的に追求する、まさにRODDIOの開発スピリットの象徴ともいえるドライバーヘッド。価格(税込)/8万8000円(ホーゼルタイプは7万8000円)

●シャフト/ロッディオ NPシリーズシャフト ★

画像: ロッディオ NPシリーズシャフト ★

ロッディオ NPシリーズシャフト ★

「軽量」と「強さ」を兼ね備えたシャフトを作るために、極薄で強靭な最高級カーボンシートを何十層にも重ねて精密に成型できる「NANO PLUS」製法を採用している。ここで使用するシートは品質が最高級ゆえに素材そのものが非常にデリケートなため、その成型にはハイレベルな設備と管理体制が求められる。「NANOPLUS」とは、世界に誇る「DAIWA TECHNOLOGY」だからこそ成し得る製法であり、NPシリーズは、それを駆使して完成させたシャフトだ。価格(税込)/6万6000円

所有欲を惹きたてる1本

ここからは堀越プロの試打結果とインプレッションをお届けしよう。

ロッディオヘッドを見て、「このヘッドはデザイン性が良くて、とても構えやすいですね」と見た目は好印象。続いて実際にスウィングして貰うと「シャフトが大きく動きますね。シャフト全体がしなるため、切り返しはゆったりした人が合いそうなシャフトです。シャフト全体が仕事をしてくれますが、特に手元部分にしなりを感じました。重量も50g台でシャープに振りやすく、ヘッドを操作したい方に向いていると思います。またトルクが5.0と多めで、バックスウィングのヘッドの動きがとてもスムーズですね」と第一印象を語った。「またロッディオは名の通っているブランドで、『高そう』『難しそう』というイメージから敬遠されがちですが、この組み合わせは難しさを一切感じさせないクラブなので、所有欲とやさしさの2つをかなえてくれそうです」(堀越)

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

画像: 弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

実際に試打してみると、堀越プロの持ち球であるドローボールで、242.6ヤードを記録。「ボールがしっかりと上がって、つかまりも良いですね。またクラブが45.75インチと長いので、打ち急がずに、シャフトのしなりを使ってボールを押してくれる感覚があります。以前も同じヘッドを試しましたが、このヘッドは比較的スピン量を抑えてくれるヘッドなので、今回もスピン量は安定して2000台前半を記録しています。また、リストターンを積極的に入れる人はタイミングが合わない可能性がありますので、先ほども言いましたがスウィングアークが大きく、切り返しのタイミングをゆったりと振れる人に合う組み合わせだと思います。しっかりとターゲットを絞って、このクラブが合う人がわかりやすいクラブという印象です」(堀越)

なお、ヘッドスピード42m/s前後で5球を打っての平均は下記のとおり。

ボール初速●60.5m/s
打ち出し角●14.6度
スピン量●2231rpm
キャリー●220.1Y
総飛距離●242.6Y

総評

「シャフトが大きくしなって球も上がり、打ち出し角が高いことが特徴です。このシャフトは『クルーズコントロール(※)』のようなイメージかと思います。ピュンっと大きくしなってくれて、このシャフトが動きたいように動かせれば距離や安定性が両立できると思います。反対にそれ以上の加速であったり、余分なタイミングで加速が入らないように注意が必要です。デザイン性が良く、かつやさしいクラブなので、他人と被らないドライバーだと思いました」(堀越)
※アクセルの操作なしで、車のスピードを一定に保てる機能

画像: 「ヘッドはシンプルでかっこいいデザインで、所有欲を満たせるヘッドになってますね。シャフトも太陽と月のマークで重量帯が分かれていて、デザイン性に優れています」(堀越)

「ヘッドはシンプルでかっこいいデザインで、所有欲を満たせるヘッドになってますね。シャフトも太陽と月のマークで重量帯が分かれていて、デザイン性に優れています」(堀越)

スパイグラス

画像: 感性を大事にしたクラブ作りが魅力。ゴルフの悩みを気軽に相談できるお店

感性を大事にしたクラブ作りが魅力。ゴルフの悩みを気軽に相談できるお店

住所/東京都目黒区碑文谷5丁目14−16
営業時間/12時~19時
定休日/火曜日
電話番号/03-5724-7236

THANKS/クレアゴルフフィールド

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