最終日の中盤5ホールで4バーディを奪い一時トップに躍り出たマキロイは自らがトロフィーを抱く姿を思い描いたに違いない。
しかし終盤短いパットを2度外し流れは相手に傾いた。ホールアウト後クラブハウスのテレビでデシャンボーがウィニングパットを沈め雄叫びをあげながら渾身のガッツポーズを繰り出したシーンを目にすると、記者の質問にも応えず足早に会場を離れ1時間後には自宅に戻るプライベートジェットの中にいた。
デジャブ。昨年の全米オープンでもウィンダム・クラークに1打差で惜敗を喫している。同じ状況だが今回は勝つチャンスが大きかっただけに前にも増して悔しかっただろう。
試合終了後NBCの解説席からゴルフチャンネルのブースに移動したシャンブリーは「ライブ・フロム」でポール・マクギンリーと史上もっとも衝撃的だったメジャーの結末について語り合った。
話題の中心はなぜマキロイが10年もメジャータイトルを逃し続けているのか。
「ここ10年のメジャーでの彼の不振はスウィングの技術的問題にある」というシャンブリーにマクギンリーは激しく反発。「勝てないのは完全に精神的なもの」と応酬した。
しかしシャンブリーは怯まない。「14年以降勝てないのは単純に彼のスウィングが以前ほど良くないからだ」と主張。「11年の全米オープンと12年の全米プロでは8打差の圧勝を挙げている。1990年以降メジャーで8打差を以上で勝ったのはタイガーとマキロイ、たった2人しかいない」。
「これからどれだけ勝ち続けるのかと期待したが彼はスウィングを変えた。以前よりトップが深くなりシャフトはクロス、クラブがインサイドから下りている。もちろん精神的な要素もあるだろうが、もっとも大きな原因(敗因)はスウィングだ」と指摘した。
マキロイにも言い分はあるだろう。だが逆に技術が勝てない理由だとすれば改善の余地はある。今年残るメジャーは全英オープン1つ。彼のリベンジに期待したい。