先のナッシュビル戦ではチケット売り上げが240%アップし、グッズの売り上げは308%増となったが、特にデシャンボーがキャプテンを務めるクラッシャーズGCのグッズに至っては985%アップと驚異の伸びを見せ、主要な商品はすべて完売御礼。
全米オープンのテレビ視聴者数も大幅に増加し、2013年以来となる高視聴率を記録したが、デシャンボーの組に付くギャラリー数がすごかったという話も各所で耳にする。
いつの間にかあだ名も「マッドサイエンティスト」からマッドが消えて”サイエンティスト”になったと思ったら、最近は「ザ・ピープルズチャンプ」なんて呼ばれているが、評価が急激に高まったのは全米オープン直後から。
「トゥナイトショー」や「パット・マカフィショー」といった人気番組に出演し、数々のインタビューの場で全米オープンの秘話を語ったが、たとえば最終日の18番ホールでマシュー・パボンが“お先”をしなかったことに対し、デシャンボーは「パボンに感謝した」と言っている。
「先に打っていれば私にパットのラインを見せていたはず。それはローリー(・マキロイ)に対してフェアではない。私はそういう勝ち方をしたくなかった」
優勝カップを持って走り回り、ギャラリーにハイタッチして回ったかと思えば、ナッシュビルでもカップを持ちながらメインストリートを闊歩し、「庶民のチャンピオン」と報道されている。
PGAツアーのテレビ視聴率の落ち込みが懸念されるなかで、敗れたマキロイは「彼は価値ある人。いまプロゴルフ界が本当に必要としているチャンピオンだ」と称えている。
かつて アーノルド・パーマーは実力的には上とされるジャック・ニクラスより人気があると言われたが、デシャンボーがシェフラー、いやタイガーに代わるプロゴルフ界の“顔"になる日も近い?
※週刊ゴルフダイジェスト2024年7月16日号「バック9」より