
解説/武田登行プロ
豊富なアマチュアの指導経験を持ち、理論的なレッスンには定評があるスウィング研究家。松原ゴルフアカデミーのヘッドプロ。
「左足上がりを上手く打てていると“勘違い”している人が多いです! 」

左足上がりはダフりにくい▶ヘッドをぶつければプロみたいな高弾道▶“上手く打てている”と勘違い。でも、「ショート」していませんか?
「左足上がり」のライは意外と問題なく打てている、あるいは、「むしろ得意」と感じているゴルファーが多いのではないだろうか。
「そうですね。左足上がりのライは、“ダフリが出にくい”ので、苦手意識を持つ方は少ないと思います。打ち出しも高く、プロのような高弾道になることも多いので、得意と感じる人が多いんだと思います」と武田プロ。
そうであれば、「左足上がり」はやめて、「左足下がり」の特集に進んでしまったほうがいいのか……。
「ちょっと待ってください。苦手意識がないからといって、上手く打てているとは限りません。勘違いしている人も多いですから」
どういうことなのか。
「確かにプロのような高弾道のショットが打てて満足されているかもしれませんが、結果はどうでしょうか。ショートすることが多くありませんか? ゴルフは狙ったところにボールを運ぶゲーム。ですから、いくらいい当たりでもショートしていては、いい結果とは言えないはずです。左足上がりではロフトが寝ますし、またヘッドをぶつけるような打ち方になりやすくスピン量が増えてしまうことが多い。だからショートすることが多いんです。ですから大きめの番手を持つ必要があります」
ショートする理由①:斜面なりに構えるとロフトが増えてしまう
ショートする理由②:ヘッドをぶつけるとスピン量が増えてしまう
確かに、いくらプロのような弾道が打てたとしても距離が足りなければグリーンをとらえることはできない。
「斜面から打つときは、“出やすい”弾道と反対の弾道を打つのが鉄則です。左足上がりの場合は、弾道が高くなりやすいので、弾道を抑えるようにしましょう。それがボールをコントロールするということです」
具体的な攻略ポイントを武田プロに教えてもらった。
「まずは斜面なりにアドレスし、ボールはやや右足寄り。体がブレないようにスタンスもやや広めに取ります。そして大切なのは、右ひざを少し内側に入れること。左足上がりは体の右側が低くくなっているので、体が右にズレやすくなります。右足小指の外に体がズレないように、右ひざを少し内側に押し込みましょう。そして斜面からのショットすべてに共通することですが、足場が悪いので大振りは禁物です。コンパクトなトップからフォローを大きく取るイメージで振り切りましょう。弾道の高さを抑えるイメージで打てば、ヘッドが突き刺さることもありませんし、無駄なスピンが増えることもありません」
武田プロの攻略ポイント4選!

大きめの番手を持つことが大事
攻略ポイント①
大きめの番手を持つ
左足上がりはロフトが寝てしまうので、1~2番手上げたクラブを選択する必要がある。斜面から打つ場合は足場が悪いので、「大振りしない」という原則は左足上がりでも変わらない。

傾斜なりに構えることが基本
攻略ポイント②
斜面なりにアドレス
左足上がりでは斜面なりに構えるのが基本だ。垂直に構えた場合はヘッドをぶつけるようなスウィングになりやすくスピン量が増えてしまう。さらにヘッドの抜けも悪くなってしまうので注意が必要だ。

右足小指の外に体を行かせない
攻略ポイント③
右ひざを内側に入れる
左足上がりは右足側が低く体重が右サイドに残りやすい。右ひざを内側に押し込み体が右足小指の外側に流れることを防ぐ左足上がりでは斜面なりに構えるのが基本だ。垂直に構えた場合はヘッドをぶつけるようなスウィングになりやすくスピン量が増えてしまう。さらにヘッドの抜けも悪くなってしまうので注意が必要だ。

弾道の高さを抑えるイメージで打つ
攻略ポイント④
コンパクトなトップで振り切る
狙ったところにボールを運ぶには大振りは禁物。コンパクトなトップからフォローを大きくするイメージで振り切ることが大切だ。弾道の高さを抑える意識を持ってスウィングしよう。
この打ち方をマスターすれば、アゲンストの風にも対応できますし、狙ったところにボールを運べるはすです」
PHOTO/Norio Tsuburaoka
THANKS/松原ゴルフガーデン
※2024年7月9日号 週刊ゴルフダイジェスト「左足上がりの攻略法」より