欧州ツアー6勝のベテランであるユースト・ラウテンは、世界ランク各国上位2名のオリンピック出場枠に入ったにもかかわらず、母国オランダのオリンピック委員会(NOC)とオランダスポーツ連盟(NFS)の派遣基準を満たさず、代表入りを逃した。
というのも、オランダは世界基準より厳しい“独自のルール”を定めており、男子選手はオリンピックランキングで上位27位以内までにしか(女子は上位24位以内)出場資格を与えておらず、さらに五輪で「8位以内に入る妥当なチャンスがなければ出場できない」という条件まで付いていた。
ラウテンの世界ランクは147位で、五輪ランクは40位。さらに「トップ8入りが望めない」という連盟の判断で、彼に加え男女2名の選手の出場が叶わなかった。
しかしラウテンは諦めなかった。NOCとNFSを相手取って訴訟を起こし、「裁判所に私たちの訴えを提起し、独立した判断を仰ぎます」とSNSに投稿。それを受け、迅速な対応をした裁判所はラウテンの訴えを認め、晴れてラウテンは五輪出場権を勝ち取ったというわけだ。「今日は特別な日。私はオリンピックに行きます! 裁判の勝利にとても満足しているし、オリンピックで会いましょう! 」と喜びの声をアップした。
ラウテンは勝訴したが、現時点で同様の理由により代表権を与えられなかったD・ファン・ドリエルと、女子のドゥイ・ウェーバーも認められるかは不明。28歳のウェーバーはLPGAツアーから代表資格を得たことを知らされ、携帯電話に祝福メッセージが殺到したが、その後「資格がないと言われ、深く傷ついた」と語っている。オリンピックは出場することに意義があるとも言われるが、資格があるのに出られないとしたらなんとも切ない。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年7月30日号「バック9」より