テニスボールを打ってみよう
兼濱:じゃあ今、遠心力を感じたと思うんですけど、より遠心力を感じるために、僕が一番大事にしているという「連続素振り」という練習法があるんです。何もない状態だけど、サンドバッグがあるイメージでまず叩くじゃないですか? 叩いたあとにまた右に戻して、また左に戻して……と繰り返して、遠心力を与え続ける練習ですね。
はやし:はい。握るところから……黄色……赤……隙間はなし! 行きます!

ランチャーで連続素振り。ヘッドに遠心力を与え続ける
兼濱:いいですね~。今、連続素振りをしてもらいましたけど、素振りをしていたところにボールがあるだけっていうのがゴルフのショットだと思ってください。じゃあ今度は地面の一点に狙いを付けて連続素振りしてみてください。
はやし:はい!
兼濱:オッケー! じゃあ今度は遠心力を与えたまま、地面を擦れたりしますか?
はやし:……擦る!
兼濱:お、いいですね。じゃあ次も連続素振りをしていていください。3回目に僕がボール……といってもテニスボールです。ポンと置いてみるので、そのまま勢いで打っちゃいましょう。
はやし:コーチの手を打ったりしないですか? 大丈夫ですか?
兼濱:大丈夫ですよ、ビュッって引くので。
はやし:じゃあ、い、行きます!
兼濱:1……2……3。ナイスショット! 真っすぐ飛んでいますよ、素晴らしい!
はやし:良い音が鳴りました!

連続素振りの3回目で兼濱がボールを置くと、しっかり打つことに成功!
兼濱:今、はやしさんが振っている中にボールを置いたじゃないですか? その位置がはやしさんの「ボールの位置」です。アドレスってもちろん形から覚えるのもいいんですけど、でも振っている中で自分のボール位置を見つけられるはやしさんになってほしいので。
遠心力をクラブに与えてあげると、クラブの通り道がだんだん定まってきます。定まってきたところにボールをセットしてあげれば、そこがはやしさんの構える位置だよ、というふうに自分で見つけられるようになるので、これをクセ付けてほしいです。
はやし:クセ付けます!
連続素振りでクラブの通り道を見つけて打つ
兼濱:じゃあ最後に、ボールの位置を連続素振りで見つけてみましょう。3回連続素振りをして、クラブの通り道・残像を見て、ボールの位置とのズレを修正して、改めて打つんです。すると「ここで構えたらボールに当てようと思わなくても、当たるはずだよな」という気持ちで打てますよ。
はやし:黄色……赤……隙間な~し! 残像を見つける……この辺かな?
兼濱:おそらく僕の見立てだと少しだけズレていると思います。じゃあ実際にボールを置いて打ってみましょう!

連続素振りでクラブの通り道を判断し、ボール位置を見つけてみよう
はやし:はい!
兼濱:おしい! ちょっとボールの上でしたね。もう一回。連続素振りから……1……2……3、オッケー。
はやし:通り道はこの辺かな?

一度目はトップに。もう一度やってみると……
兼濱:じゃあ打ってみましょう。……お、ナイスショット!

テニスボールをしっかりととらえ、ナイスショット!
はやし:やったー!
兼濱:じゃあ今日のレッスンを振り返りましょう。まずテンフィンガーグリップを覚えましたね。グリップを覚えるのに、スナッグゴルフのランチャーがおすすめです。あとボールの位置や構え方っていうのも、まずはクラブに遠心力を与えられて気持ち良く振れるようになると、クラブの通り道が安定してきて、そこが自分の構える位置になりますよということ。スウィングができるようになって初めて、アドレスをどう構えたらいいのかが見つかってくるよというのを覚えておいてください。
はやし:はい!
兼濱:連続素振りは今後コースに行ったりとかしてもよく出てくるワードです、僕のレッスンを受けていると。今日のレッスンで一番大事かもしれないので、覚えておいてください!
はやし:連続素振り……連続素振り……連続素振り……、覚えました!
撮影/小林司
協力/学芸大ゴルフスタジオ