地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房の「飛ぶスペック」を週イチで紹介! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

中強弾道で叩きに行ける1本

連載24回目は広島県広島市に工房を構える「GOLF STUDIO OKIKO BALANCE 広島本店」(オキコバランス)代表の沖建一郎さんがおすすめする1本をご紹介。オキコバランスは全国で3店舗あり、広島店は2011年に開業した1号店。その他2018年には福岡店、2023年には神戸店をオープンしている。沖さんはゴルフ大手メーカーで8年、地元でクラフトマンとして働いたのち13年前に独立し、ツアープロやジュニアゴルファーなど、幅広くサポートを行っている。

工房の強みを聞くと、「オキコバランスは、独自のフィッティング理論『DC理論』を用いてフィッティングします。まずは問診から始まり、お客様の現状のクラブや、実際に使用しているクラブで実打していただきます。弾道測定器『GCクワッド』を使用してデータを確認し、ベテランフィッターが4~5本程度テストクラブを選び、先入観なしで試打いただきます。その結果から、お客様に最適な1本を導き出します」と沖さん。
DC理論は測定器のデータを専用アプリに入力すると膨大なシャフトデータの中から合いそうなシャフトが導き出されるというのだから驚きだ。また「アタックアングルが少なめで、アウトサイドイン軌道は“男子プロ傾向”、インサイドアウトでアッパー軌道が“女子プロ傾向”というように考えていて、ヘッドスピードは同じでも、軌道が異なるとシャフト重量・フレックスが異なる傾向があります。男子プロ傾向はいうなれば重さがあまり影響しないバットのように振り、反対に女子プロ傾向はハンマー投げのように遠心力を使って振るようなイメージです。ある程度傾向がつかめたら、フィッターと相談して決めていきます」と語った。

画像: オキコバランス代表の沖さん

オキコバランス代表の沖さん

画像: オキコバランスのキャップ通称「オキコ帽子」をかぶって試合に出ている大石敦也プロ

オキコバランスのキャップ通称「オキコ帽子」をかぶって試合に出ている大石敦也プロ

「エミリッドバハマ『CV-11』とスリリング『SYUHARI』がおすすめのセッティング」と沖さん。「エミリッドバハマ『CV-9』を私が使っていて、1発の飛びが凄かった印象がありました。カチャカチャを使用してライやロフトを変えれるので今回はこちらを選びました。またシャフトの『SYUHARI』はクセがなく、先ほどの“傾向”に左右されにくいシャフトです。強振するとつかまり過ぎてしまうゴルファーにとっては叩きに行けるシャフトじゃないでしょうか」と今回の組み合わせの特徴を語った。

●ヘッド/エミリッドバハマ「CV-11」

画像: エミリッドバハマ初の「カチャカチャ」搭載モデル

エミリッドバハマ初の「カチャカチャ」搭載モデル

エミリッドバハマ初の可変式ドライバー。ディープフェース設計で、力強い弾道を打ち出すことができることに加え、操作性を高めるためにインパクト時に球離れが早くなりすぎないようにフェース面裏側の加工にもこだわったモデル。また、可変式にしたことでフェースアングルやライ角などの微調整が可能となったドライバー。価格(税込)/8万8000円

●シャフト/スリリング「SYUHARI」

画像: 「SYUHARI」は守破離という言葉に由来している

「SYUHARI」は守破離という言葉に由来している

多くのゴルファーはインパクトの前にヘッドスピードの最高点を迎えてしまう。その原因がダウンスウィングのリリースの早さ。『SYUHARI』はそんなアーリーリリースのゴルファー向けシャフト。ポイントはタメが維持できるよう手元部の剛性を極限まで緩めたことで、リリースで解けたタメを補えるようになった。また剛性の低い部分をかつてないほど低く長くすることで、今までにない振り感を実現。価格(税込)/6万6000円

ここからは堀越プロの試打結果とインプレッションをお届けしよう。

「以前エミリッドバハマを打ったと思ったけど、これはCV-11で、カチャカチャ(弾道調整)がついてるんですね。ロフトは表記の10.5度、そのままで見えますし、ちょっとディープめに見えるヘッドで、ソールのフェース寄りにあるウェイトも低重心・浅重心設計を試みているのだと思います。またヘッド形状が面長なので、左に行きにくい印象です」とヘッドの印象を一言。またシャフトに目を移すと、「このシャフト初めて! 珍しいシャフトですが、どこのですか? 」と興味を持ち、一度素振りをしてみると「ワッグルすると手元部分が異常に軟らかく感じます。手元がこのくらい軟らかいと、ハンドアクションを使うタイプでも、切り返しからリリースできず、タメを維持して最後に開放するようなスウィングになるかなと思います。先があまりしならないタイプではあるので、どちらかというと叩きに行けるシャフトですね」(堀越)

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

画像: 弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

いつもどおりHS42m/s前後で試打を開始。1球目から247ヤード前後の数値が。「バランスがすごくいいクラブだと思います。シャフト全体が大きくしなり、適度な硬さも残しつつヘッドは左に行きにくい構造で、前方のウェイトで強い中弾道が打てます。ヘッドスピード42m/s以上は欲しいかなという印象を受けました。何球か続けて打ってもスピン量は2400前後で安定しているので、普段スピン量が多く吹き上がってしまうゴルファーにとてもおすすめできる組み合わせかもしれません」と印象を語った。また「全体的にシャフトもヘッドもクセがなく、とてもシンプルな味付けで振りやすいです。ヘッドスピードを上げて叩きに行っても左に行きづらく、右に打ち出して真ん中に戻ってくる軽いドローが打てました」(堀越)

なお、ヘッドスピード42m/s前後で5球を打っての平均は下記のとおり。

ボール初速●61.7m/s
打ち出し角●13.3度
スピン量●2400rpm
キャリー●226.6Y
総飛距離●247.8Y

総評

「ロフトが10.5度あるため、つかまるという安心感はありますが、少し逃げている顔で叩きにいけて、浅重心のため、低スピンで飛ばせるヘッドです。またシャフト全体が大きくしなるように感じるため、切り返しでタイミングが取りやすくインパクト直前でしなり戻りを感じ、振り抜きが心地よかったです。ヘッドスピードはやはり42m/s以上はないと低スピンが強くなりすぎてドロップの可能性が出てきてしまうので注意が必要です」(堀越)

画像: 「手元側がとても軟らかく切り返しやすいですし、ヘッドも浅重心で噛み合った時の飛距離はとても飛びますね」と堀越プロ

「手元側がとても軟らかく切り返しやすいですし、ヘッドも浅重心で噛み合った時の飛距離はとても飛びますね」と堀越プロ

GOLF STUDIO OKIKO BALANCE 広島本店

画像: トッププロも使用する弾道計測器「GCクワッド」を使用しながらのフィッティング

トッププロも使用する弾道計測器「GCクワッド」を使用しながらのフィッティング

データを駆使した最新のフィッティングが受けられるオキコバランス
全国3店舗に展開しているので、独自の理論から運命の1本がみつかるかも?

※フィッティングの詳細は公式HPをご確認ください

住所/広島県広島市安佐南区大町東3丁目11−23 スタープラザ大町東 1F
営業時間/10時~18時(定休日:木曜日)
電話番号/082-831-2391

THANKS/クレアゴルフフィールド

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