グリップをきつく握ったときのデメリット
GD 前回まで2回(前々回、前回)にわたり「良いグリップの要素」A、B、C、Dの「C・両手人差し指と親指でできる線と向き」の習得に取り組んできました。今回はいよいよ最後の「D・力加減」に進みます。
原田 「D・力加減」の説明に入る前に、ここまでの採点をしましょうか。グリップを作って見せてください。
GD はい。ずっと両手の人差し指と親指の間にコインをはさんで付け根を絞めるドリルをしてきた成果をお見せしたいです。今はこんな感じで握っています。
原田 グリップの形もできてきたし、両手人差し指と親指の指の付け根も締まっています。線の向きは少し甘いけど、70点くらいはつけられそうですね。それができていると、腕を振りやすいはずですよ。
GD そうですね。自分でもまだまだとは思いますが、わきが締まってひじがたためて、腕が前よりも振れている気がします。
原田 その調子です。でもね、それだけじゃまだ足りません。では、最後の「D・力加減」の説明に入りましょう。
GD その前に質問ですが、そもそも適切な力加減はどうして必要なんですか? 個々のゴルファーが気持ちよく握れるときの力の入れ方ではダメなんですか?
原田 ちょっと聞いてください。まずね、アマチュアの人はグリップをきつく握っちゃう人が多いんです。手首を固めてしまったりして、それだとクラブをうまく振れない。ですから、そのために握る力を考えなくちゃいけないんですね。
GD 自分も含めてですけど、確かにグリップをギュッと持っている人をよく見かけます。
原田 そうするとね、いいインパクトができないんです。ヘッドスピードも上がらないし、ミート率も下がります。
GD やっぱりギュッと握っちゃうとダメなんですね。力加減の正解を早く知りたいです。
"握っていい"左手の小指、薬指、中指の3本も強く握ってはダメ!
原田 落ち着いてください。いいですか? 握るのはね、左手の小指、薬指、中指の3本です。でも、この3本もギュッと握るわけでなく、軽く握ります。残りの7本は添えるだけです。
GD ということは、3回前の「良いグリップの要素」の「B・どの指で握るか」のときに、握る指は左手小指、薬指、中指の3本で、残りの7本は添えるだけということでしたが、その3本にしても決してギュッと握るというわけではないんですね?
原田 そうです。左手の3本は、添える指に比べたら、少し力が入っているというイメージでいいと思いますよ。
GD 私たちアマチュアは握る指と言われると、その指には力を入れて握っていいんだと思いがちです。ここは注意が必要ですね。でも、他の7本に比べて少し力が入っているという力加減のイメージが描きにくい気がします。
原田 言葉では柔らかいものを握るときの力加減、車のハンドルを持つときの力加減なんて言いますよね。それでイメージを持ってもらえれば、それでもいいんですけど、私は「こんな感じで握っていますよ」とレッスンプロを目指す人の手を実際に握ってあげています。そうすると「先生はこんなに軽く握っているんだ」と皆さん驚くわけです。
GD すいません、私も握っていただけますか?