交通手段が飛躍的に発達した現代では、情報も簡単に手に入るようになり、地球はかつてより小さく感じられる。今まで一番遠くでプレーしたのは、と思い浮かべると、意外やそれほど遠くなかったりもする。2024年8月13日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では、9名の著名人に「今まで一番遠かったゴルフ場はどこでしたか?」と問いかけている。その中から、高須クリニック院長の高須克弥氏と写真家の長濱治氏の体験談をお届けしよう。

高須克弥「緑のコースよりも気に入りました」【アラブ首長国連邦・ドバイCC】

画像: 高須クリニック統括院長・医学博士 高須克弥氏

高須クリニック統括院長・医学博士 高須克弥氏

ドバイに行ったのはテレビCM制作のためで2007年のことです。おそらく一度は見ていただいたことがあると思いますが、ヘリコプターに乗ってドバイの高層ビル群の上を飛ぶCMです。ドバイにもエミレーツGCやドバイクリークゴルフ&ヨットCなどのコースが、活気が出始めて話題になった時期でもありましたが、私が興味を抱いたのはもっと昔からある砂地のドバイCCです。

画像: フェアウェイも砂地のままだが、バンカーは分かるようにされている(提供/高須克弥)

フェアウェイも砂地のままだが、バンカーは分かるようにされている(提供/高須克弥)

画像: ドバイの衣装クゥトラをかぶりティーイングエリアで構える“かっちゃん”こと高須克弥氏(提供/高須克弥)

ドバイの衣装クゥトラをかぶりティーイングエリアで構える“かっちゃん”こと高須克弥氏(提供/高須克弥)

   

見渡す限りという表現が最適と思われるほど、あたり一面は砂漠で、そこにティーイングエリアがあり、後はグリーンまで草一本生えていない砂のままです。

当然、グリーンも砂で造られていますから、グリーン表面をならす箒が置かれ、パットの前に必ずならして打つわけです。

  

かつて青木功プロにパッティングの極意を訊ねたところ、「ピンに向かってヒールで打つ」、そして「オーバーしたらどれだけ曲がったか跡で分かる」。

グリーンの表面が砂ですからボールの軌跡が残り、ラインが分かるわけですね。

画像: ドバイCCはドバイで最も古いコースで開場は71年。開発計画により2007年11月30日に閉鎖してしまった(提供/高須克弥)

ドバイCCはドバイで最も古いコースで開場は71年。開発計画により2007年11月30日に閉鎖してしまった(提供/高須克弥)

長濱治「コースまでは遠かったが人の心は近かった」【キューバ・バラデロGC】

画像: 写真家・長濱治氏

写真家・長濱治氏

1980年代半ばにゴルフを知り「こんな面白い遊びはない」と、ハマりました。当時私は、ドキュメンタリー、ファッション、コマーシャルなどの撮影を中心にしていましたが、ゴルフを始めたことから被写体としてのゴルフの写真を撮るようになりました。

そんな時期に作家の北方謙三さんと「どこか旅をしたいね」となり1985年〜1986年頃キューバに行くことになりました。

画像: 海に沿って展開するバラデロGCはキューバ唯一のゴルフ場で外貨獲得を担っている(提供/長濱治)

海に沿って展開するバラデロGCはキューバ唯一のゴルフ場で外貨獲得を担っている(提供/長濱治)

北方さんは作家アーネスト・ヘミングウェイのファンで、キューバ葉巻の愛用者でもあり、社会主義国ながら楽天的なキューバに興味を抱いていました。かつて米国デュポン社が所有していたバラデロGCはカストロ政権下で閉鎖されプレーは不可でしたが、4年後に、吉川英治文学賞、角川小説賞の受賞歴のある冒険作家の田中光二さんと訪れた時、ゴルフ場へと復活していたんです。田中さんもヘミングウェイのファンで「キューバで『老人と海』の場所を見たい」と言っていましたので一緒に出かけたわけです。

画像: バラデロGCのクラブハウスは、かつてデュポン家が所有していたもの(提供/長濱治)

バラデロGCのクラブハウスは、かつてデュポン家が所有していたもの(提供/長濱治)

バラデロは増える観光客のためにゴルフ場として再開され、経済封鎖されているキューバにとって貴重な外貨収入源として活用されていました。

「ゲーリー・プレーヤーに出会った」【南アフリカ・ロストシティGC】

1991年~1992年頃だと思います。「どこかに行きたいね」と、またしても作家の田中光二さんと話している時、南アフリカはアパルトヘイトが終了した時代で、領事館の知り合いに「サンシティというリゾートができたので取材に来ませんか」と誘われ、出かけることになりました。

画像: ゲーリー・プレーヤーGC(提供/長濱治)

ゲーリー・プレーヤーGC(提供/長濱治)

取材自体は4〜5日で終わり、ホテルで朝食を取っていると、近くのテーブルにいたゲーリー・プレーヤーと目が合ったんです。その瞬間、彼が立ち上がりこちらのテーブルに移ってきて、「おはようございます、何してます?」と聞かれました。そして「新しいゴルフ場を造っているのでよかったら見ますか」と誘われ、ホテルの庭から専用ヘリコプターで一緒に行ったのが建築中のロストシティGCでした。

「空港からそのままゴルフ場へ」【エクアドル・グアヤキルCC】

直木賞作家の西木正明さんとエクアドルのガラパゴスに行くことになりました。エクアドル最大の都市グアヤキルに到着しましたが、高度を下げている時に眼下にゴルフ場があるのを発見。空港で出迎えてくれた商社の方に「ゴルフ場が見えました」と話したところ、「多分、私が会員になっているグアヤキルCCで、私、そのクラブのクラチャンです」。一緒に出迎えてくれた夫人は同じクラブのレディスチャンプでした。

「面白いですよ、プレーしますか?」と尋ねられ、「行きますと」答えると「では、今から行きましょう」となり、そのままコースに向かいました。

画像: グアヤキルCCは景観に優れたコースだった(提供/長濱治)

グアヤキルCCは景観に優れたコースだった(提供/長濱治)

プレー中、突如スコールになり、雨が上がると美しい山並みが印象的でした。

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日本国内とは全く違う景観を楽しめる“いちばん遠いゴルフ場”。残りの7人が世界でどんなゴルフを体験したのか、気になる体験談は2024年8月13日号の「週刊ゴルフダイジェスト」に掲載中!

※週刊ゴルフダイジェスト2024年8月13日号「世界の果てまで入ってGOLF! 最果て体験談」より一部抜粋

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