中国EV、ますます侮れじ!
今やインド産ホンダ車やスズキ車が当たり前に入ってくるようになってきたグローバル化ニッポン! さらに壁をぶち壊しそうなアジアン黒船EVが上陸です。
それがBYD シール。昨年、日本に初上陸した中国EVメーカーですが、第1弾のATTO3や第2弾のドルフィンと違い、安さやコンパクトさだけで勝負してないのです。スタイル、インテリア、走りにてクオリティを前面に押し出したプレミアムEVセダンで、従来の中国車イメージとは異なります。小沢も早速ゴルフカーとしての実力を試してきました。
見た目はのっけから「これがBYDなの?」と言いたくなるイタリアンセダン風で、競合EVたるテスラ モデル3を流麗にした伸びやかデザイン。サイズも全長4.8m×全幅1.875mとたっぷりで、前後LEDライトもモダンです。
何より恐ろしいのは同国自慢のデジタルエンタメ性能で、テスラも驚く縦横回る15.6インチの大型ディーリンクディスプレイを標準装備。メーターも10.25インチの完全デジタルで、屋根をほぼ全面カバーするパノラミックルーフや運転席助手席シートヒーター&ベンチレーション、2カ所のスマホワイヤレス充電、PM2.5空気清浄システムから4Gインターネット接続、BYD自慢の幼児置き去り検知システム付き。
その走りはドイツプレミアム並みとは言いませんが、ATTO3でも使われているeプラットフォーム3.0をベースに、シールならではのセルトゥボディ構造で剛性強化。AWDモデルは世界初のiTACというスリップ制御や可変ダンパーを備え、予想以上の静粛性や滑らかさ。
EV航続距離もBYD自慢の燃えにくいリン酸鉄リチウムイオンバッテリーで、容量82kWh強。後輪駆動のRWDは640km、4駆のAWDは575kmもモード走行で走れます。加速も後者は特にすごく、0-100m加速3.8秒と激速!
肝心のバッグ収納力はトランク容量400Lあるものの、横幅が狭く1本がやっと。リア席を倒せば3本は楽勝です。
名門コースに乗り付けても恥ずかしくないプレミアム感を備え、長距離ドライブもバッチリ。中国生産車だけにCEV補助金の適用で国民的には悩ましい面もありますが、クルマとしての性能は侮れません。確実に時代の変化を感じさせるアジアの新勢力プレミアムEVなのです。
撮影車種/BYD SEAL
全長×全幅×全高/4800×1875×1460mm
メーカー希望小売価格/528万円~
撮影/三浦孝明
撮影協力/加茂ゴルフ倶楽部