パリ五輪男子ゴルフ最終日、松山英樹がノーボギーの6バーディ65の好スコアをマークし、日本男子ゴルフ界初のオリンピック銅メダルを獲得した。東京五輪の舞台で3位決定戦のプレーオフに敗れメダルを逃してから3年。密かに燃やし続けたリベンジの炎をパリ五輪にぶつけた松山は大ギャラリーに見守られ見事雪辱を果たした。

スコアを伸ばせなかった3日目、首位タイから4位タイに後退した松山だったが、最終日は持ち前のショットが冴え渡った。

まずは2番パー3でベタピンのバーディを奪うと、4番からミドルレンジ(5〜7メートル)を沈めて3連続バーディ。メダル圏内の3位タイに浮上したあとも正確なショットでパーオン率100パーセントと強豪揃いのフィールドでもっとも安定したプレーを見せつけた。

10番、12番でバーディを追加し3位タイで迎えた上がり3ホール。16番では6メートルのチャンスを生かせず、17番のバーディトライも打球がわずかに右をすり抜け肩を落とした。

最難関の18番でもフェアウェイど真ん中から浮島グリーンを捉えチャンスにつけたがカップに蹴られバーディならず。いずれかでバーディを決めていれば輝きの違うメダルが手に入ったかもしれない。

「残り3ホールで金のチャンスがあったので金メダルを獲れなかったのは悔しい」といいながら、ジョン・ラームが18番で距離のあるバーディパットを外し銅メダルが確定すると丸山茂樹総監督やチームの面々と抱き合い笑顔が弾けた。

画像: 銅メダルを片手にセルフィーする松山英樹と総監督の丸山茂樹(PHOTO/Getty Images)

銅メダルを片手にセルフィーする松山英樹と総監督の丸山茂樹(PHOTO/Getty Images)

普段好プレーにも満足せず不満そうな表情を浮かべることが多いが、松山もこんなに爽やかに笑うことがあるんだ、と思うほどの満面の笑みだった。

獲りたかった金メダルには2打足りなかった。表彰台の一番高いところには世界ランク1位のスコッティ・シェフラー。しかし普段の試合では褒められることのない3位の栄誉を称えられ銅メダルを首にかけた。

「これを獲るために前回(東京五輪)から苦労したと思うので、金のほうが良かったですけど、これ(銅)でも僕にとってはハッピーです」と松山は日に焼けた顔をほころばせた。

このシーンを見てゴルフを志す少年少女もいることだろう。日本のエースがまた1つ大きな仕事を果たし次世代に夢を与えた。

松山英樹のパリ五輪をプレーバック

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