松山英樹が日本男子ゴルフ初の銅メダルを獲得。東京五輪で惜しくもメダルを逃したリベンジをパリ五輪で果たした。マスターズでは日本男子初の海外メジャー優勝を飾り、五輪でも日本男子ゴルフ初のメダリストに輝いた。なお、女子ゴルフは東京五輪で稲見萌寧が銀メダルを獲得している。
「(東京の)悔しさが残っている」と大会前に話していた松山は、初日63と単独首位に立ち、2日目も首位をキープ。3日目4位タイに順位を落としたが、最終日粘りと攻めのゴルフを見せ6バーディノーボギーの65で回り17アンダー3位でフィニッシュ。見事銅メダルメを獲得。東京五輪で銅メダルのプレーオフで敗れた雪辱を果たした。
3万人を超える大ギャラリーのなかで、赤いウェアと白のキャップとパンツの日の丸カラーをまとった日本男児が、日本ゴルフ男子初の偉業を成し遂げた。
金メダルはスコッティ・シェフラー(アメリカ)、銀メダルはトミー・フリートウッド(イギリス)が獲得した。
最終日バックナインの”メダル争い”をプレーバック
前半の9ホールを終えた時点で、トップは14アンダーから5つスコアを伸ばした19アンダーのジョン・ラーム(スペイン)、2位は3つスコアを伸ばした16アンダーのトミー・フリートウッド。松山英樹は4つスコアを伸ばして15アンダーの3位。同じく15アンダーのザンダー・シャウフェレ(アメリカ)と4人がメダル圏内で後半のバックナインへ突入した。
松山は10番パー4でバーディを奪い、2位のフリートウッドに並び、トップのラームを3打差で追いかける。
10番でラームがバーディを奪い、20アンダーで2位の松山とフリーウッドとの差を4打広げた。
11番ではフリートウッドがバーディを奪い、1位ラーム、2位フリートウッド、3位は松山とシャウフェレ。
12番で松山がバーディを奪い、再び2位タイに浮上。11番と12番でラームがボギーを叩き、金メダルへ1打差に迫った。
12番でバーディを奪ったフリートウッドがラームに並び、トップタイ。18アンダーの2人を17アンダーで松山が追う。3人がメダル争いをする一方で、4連続バーディを奪った松山と同組のローリー・マキロイ(アイルランド)が16アンダーの4位に急浮上。シャウフェレは12番と13番でボギーを叩き14アンダーまでスコアを落とした。
一方、ビクトル・ぺレスが母国フランスの大声援を受けて、12番から1イーグル4バーディと6つスコアを伸ばし、16アンダーでマキロイに並び一気にメダル圏内が見えてきた。
世界ランク1位のスコッティ・シェフラーも14番でバーディを奪い16アンダーの4位タイに浮上した。
14番パー5は松山とマキロイの同組の2人が2オンを狙う。松山はグリーンの左へ外し、マキロイはグリーンをとらえる。マキロイが先にバーディを奪い、松山はパー。
18アンダーでトップのラームとフリートウッドを1打差で松山とマキロイが追う。するとシェフラーも15番でバーディを奪い、17アンダーで3人が並んだ。
しかし、その15番でマキロイが2打目をグリーン手前の池に落とし、一歩後退。
ラームも14番でまさかのダブルボギー。フリートウッドが18アンダーで単独トップになろうかというタイミングで、16番でシェフラーがさらにスコアを伸ばし、フリートウッドとトップタイに並んだ。
1ホール進むごとにメダル圏内の順位が入れ替わる展開
18アンダーでシェフラーとフリートウッドがトップ、17アンダーで松山がメダル圏内。ラームは16アンダーで圏外へ順位を落とした。
シェフラーが17番でもバーディを奪い、4連続バーディの19アンダーで初めて単独トップに躍り出る。
シェフラーは19アンダーで残り1ホール、松山は17アンダーで残り2ホール、フリートウッドは18アンダーで残り3ホール。
16アンダーに後退していたラームが16番でバーディを奪い、17アンダーで松山と並び、残り2ホール。フリートウッドも16番でバーディを奪い、19アンダーで残り2ホール。
シェフラーは難関ホールの18番パー4はパー。最終日9つスコアを伸ばし、19アンダーでホールアウトした。
メダル争いは、シェフラー、フリートウッド、松山、ラームの4人に絞られた。
トップタイのフリートウッドは17番でティーショットを左の深いラフへ打ち込み、追いかけるラームも深い左ラフ。フリートウッドはグリーをオーバーし、スコアを落とすピンチが訪れた。
松山は17番をパーで終え、18番のパー4で2打目を直接カップインしなければシェフラーには追いつけない。2打目をピン奥3mに乗せ、金メダルはならなかったが、バーディを取ればまだ銀メダルの可能性はある。しかし、カップの右をかすめてバーディならず。最終組のフリートウッドとラームの結果を待つこととなった。
フリートウッドは17番でグリーン奥からパーセーブできずボギーを叩き、18アンダーにスコアを落とす。ラームもスコアをひとつ落とし、最終組が最終ホールを残して、順位はトップが19アンダーでシェフラー、2位が18アンダーでフリートウッド、3位が17アンダーで松山、4位が16アンダーでラームとなった。
最終組の2人の結果次第で色が決まる
18番フリートウッドはまたもや2打目をグリーンオーバー。ラームの2打目はグリーン左へオンしたが、ロングパットが残った。
フリートウッドのアプローチがピンをオーバーし、金メダルはシェフラーに確定した。
ラームのパットが決まらず、松山のメダルも確定。フリートウッドがパーパットを決めて銀メダル。松山は銅メダルを獲得した。