地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房の「飛ぶスペック」を週イチで紹介! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

シンプルでクセが無いドライバー

連載26回目は神奈川県横浜市に工房を構える「ハンズ工房」の太田淳一さんがおすすめする1本をご紹介。工房を開業して20年弱となる太田さんは、ベストスコア70の腕前の持ち主。小さい頃からゴルフに触れており、会社員時代に「工房とかやってみたら? 」という一言から「ハンズ工房」を立ち上げた。現在は月に1~2回程度ラウンドを楽しんでいるとのこと。

画像: エポンヘッド×USTマミヤシャフト「安定性に特化した、叩けるドライバー」 (堀越プロ)【人気ゴルフ工房のぶっ飛びドライバーをキング・オブ・試打が語る】

クラブの選び方について訊くと、「振りやすさを大事にしていますね。当店では機械でのフィッティングはありませんが、自身の感覚を大事にしたクラブ選びを心掛けています。お客様の好みに合わせて振りやすいクラブを組み立てますが、18ホール体力が持つ程度に“重たくて硬い”シャフトを使うように伝えています。来店するお客様の多くがスコアアップを望んでいるので、飛びに注目するというよりは安定感、球のまとまりを強く意識して薦めています」と語ってくれた。
「また、練習場併設なので実際にお客様の球を見て決めるようにしています。トラックマンレンジなので大体の距離がみれますし、あとは打った球の雰囲気や個人の好みを尊重して慎重に進めていきます。アイアンも試打シャフトを多く取り扱っているので、ヘッドとの相性を見て多くの選択肢から選ぶことができるのも当店の強みです」(太田さん)

「エポンゴルフ株式会社『AF‐157』とUSTマミヤ『LIN-Q BLUE EX』がおすすめ」と太田さん。「エポンのつかまりやすいヘッドと、LINQの左に行きにくいシャフトを組み合わせて飛びというよりは方向性を重視したクラブに仕上げました。特にシャフトの『LIN-Q BLUE EX』は手元部分が軟らかく先端が硬いため、ハードヒッターも左を怖がることなく振り切ることができます。更にこのシャフトはドライバーの他にFW、UT用のシャフトもラインナップしているので揃えることで重量、しなり感の流れが合い、違和感なく振れると思います」とのことだ。

●ヘッド/エポン株式会社「AF-157」(10.5度)

画像: エポン株式会社「AF-157」(10.5度)

エポン株式会社「AF-157」(10.5度)

前モデルの「AF-156S」と同様の大きな重心角を保持しつつ、重心距離を短く設定した、高いつかまり性能を持ったドライバー。軽量チタン製クラウンのフェース側に打球時のたわみを助長する溝、クラウンのバック側にはたわみを抑止するリブを配し、素早いたわみ戻りでボールを押し出し、打ち出し角と反発効率の向上を図った、「ネオパワーウェブ構造」を採用。フェースのインパクトエリアにレーザーミーリングを施し、ウェット状態におけるバックスピン量の増加を抑制する。価格(税込)/8万300円

●シャフト/USTマミヤ LIN-Q BLUE EX

画像: シャフトはUSTマミヤ「LINQ EX BLUE」

シャフトはUSTマミヤ「LINQ EX BLUE」

潜在能力を引き出す、飛び系中元調子。「ぶ厚いインパクト」と「安定感」で叩けて振り抜きも向上。トップからスムーズで粘りのある切り返しで、飛ばしに必要不可欠な「安定感あるタメ」をつくり、ダウンスウィングからインパクトまでの横方向のブレをなくし、安定したインパクトを実現。先端側を高剛性にすることで、「押し感」の強いインパクトを可能になり、フォロースルーも、ブレることなく打球の方向性がアップした。価格(税込)/5万5000円

アイアンとの流れが作りやすいシャフト

ここからは堀越プロの試打結果とインプレッションをお届けしよう。

「この連載で『LIN-Q BLUE EX』は初めてだね。グリップした感覚は少し太く感じます。そのせいかスクエアグリップになりやすく、ハンドアクションがいい意味でしにくくなりそうなイメージがあります。ヘッドはクセがなく、構えた時にもまったく違和感がありません。公式HPを見るとカチャカチャでフェースアングルとライ角が調整できるようなので、逃げ顔の好きな私は少し開くようにいじると更に打ちやすく感じます。スタンダードではややつかまるイメージがあるので、スライサーも安心して構えられるヘッドだと思います」と見た目の印象を話してくれた。
調べてみると、バット径は15.45ミリとわずかに太めに作られていた。素振りを数回行うと「手元が非常に軟らかく感じて、全体が気持ちよく動いてくれるシャフトですね。どちらかというと切り返しがゆったりとしている方が合うと思います。手元調子というと上級者向けのような印象を持つ人も多いですが、このシャフトは全体がしっかり動くので多少のお助け感も相まって絶妙な味付けになっています」。

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

画像: 弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

何球か打つと、強い弾道で中~高弾道の球が多く出た。

「やっぱりこのシャフトは切り返しのタイミングが取りやすく、それにアイアンのように少しダウンブロー気味に打てるシャフトですね。ドライバーとアイアンのスウィングを大きく変える必要がなく、ロフトが10.5度あるため適度な弾道で飛び、初速も出ています。体を積極的に使うボディーターンや、リリースが遅めでハンドファーストに打ちたい人が合いますね。シャフトも硬すぎず大きく動くので、切り返し直後にリリースしてしまうとヘッドが返り過ぎてしまうため注意が必要です」

スピン量は2200rpm前後を記録し、打ち出し角も14度前後と安定していた。

なお、ヘッドスピード42m/s前後で5球を打っての平均は下記のとおり。

ボール初速●61.0m/s
打ち出し角●15.5度
スピン量●2184rpm
キャリー●221.0Y
総飛距離●244.0Y

総評

画像: 「手元のしなり感と、バットの太さが特徴的ですね」(堀越プロ)

「手元のしなり感と、バットの太さが特徴的ですね」(堀越プロ)

「全体的に振り心地や持った印象はハードスペックの感じはあるのだけれど、ヘッドのつかまりやすさとシャフトの左に行きにくい特性が相まって振りやすく、そして叩けるという安定性のある1本に仕上がっている印象でした。個人的にテークバックでヘッドを感じやすく、リズムが損なわれずに打つことができたのでとても良い振り心地でした。調べたところFW、UT用シャフトもあるようなのでそちらも興味がありますね」(堀越プロ)

ハンズ工房

画像: ハンズ工房 店内写真

ハンズ工房 店内写真

練習場と最新設備が融合している「ハンズ工房」。クラブのことは気軽に相談できるお店。

住所/ 横浜市保土ヶ谷区仏向町1558
営業時間/9時30分~20時
定休日/詳細は公式HPからご確認ください
電話番号/0120-045-041

THANKS/クレアゴルフフィールド

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