地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房の「飛ぶスペック」を週イチで紹介! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

つかまりが良く、高い寛容性を実現したクラブ

連載27回目は広島県福山市に工房を構える「グリーンフィールド」の福井秀一さんがおすすめする1本をご紹介。当時研修生をしていて、その時に自分のクラブの調整をするために工具や道具を揃えていたことがきっかけとなり「グリーンフィールド」をオープンしたという。福井さんはTCP(PGAティーチングプロ)の資格を持っていて、道具の調整のほかレッスン業も行っている。

画像: 「ロフト、ライアングル測定器を使用して、正確な調整がウリです」と福井さん

「ロフト、ライアングル測定器を使用して、正確な調整がウリです」と福井さん

フィッティングに関して聞くと「基本的にはお客様にヒアリングして、弾道測定器を用いて複数あるシャフト、ヘッドの中から最適なクラブを提案しています。シャフトを選ぶ際には日々のレッスン活動で様々なスウィングタイプを見てきた経験や、クラフトマンとしての技術と知見を活かし、お客様の切り返しがスムーズに動くことを意識しています。切り返しのタイミングが合わないものは、しなりが自分に合わないということなので、機械では測りにくい感覚値的なものになり、それはとても重要だと思っています。まだ始めたばかりで好みがわからないお客様には、弾道測定器を活用して理想の数値になるシャフトを提案し、基準として提案することもあります。お客様との対話を意識することで、感覚を優先した心地よいクラブを提供することを心掛けています」と弾道測定器を利用しつつも、人間が持つ繊細な感覚を大事にしているという。

また、「ドライバーフィッティングはアイアンへの流れを大切にしたいので、振り心地は感覚的に近くなるようにお客様と調整しながら進めていくことが多いですね。量販店にはないようなシャフトも取り扱っていますので、様々なニーズにお応えしやすいと思います」と語った。

「エポン『AF‐157』とフジクラ『スピーダーNX ブラック』がおすすめ」と福井さん。「このヘッドの特徴としては重心距離が短く、ヘッドの動きを操作しやすいためスライサーに向いていると思います。そしてシャフトは先中調子で先端が走るので球がつかまりやすい組み合わせとなっています。つかまりの良いヘッドですが、スリーブでライ角・ロフト角が調整できますのでフッカーの方はフェースをオープンにすることも可能です。シャフトの性能によってヘッドの特徴を活かすことができる万人向けのシャフトだと思っています」

●ヘッド/エポン「AF-157」(10.5度)

画像: エポン「AF-157」(10.5度)

エポン「AF-157」(10.5度)

前モデルの「AF-156S」と同様の大きな重心角を持ちつつ、重心距離を短く設定した、つかまり性能を上げたヘッド。軽量チタン製クラウンのフェース側に打球時のたわみを助長する溝、クラウンのバック側にはたわみを抑止するリブを配し、素早いたわみ戻りでボールを押し出し、打ち出し角と反発効率の向上を図った「ネオパワーウェブ構造」を採用。フェースのインパクトエリアにレーザーミーリングを施し、ウェット状態におけるバックスピン量の増加を抑制する。価格(税込)/8万300円

●シャフト/フジクラ スピーダーNX ブラック(6S)

画像: シャフトはフジクラのフジクラ スピーダーNX ブラック(6S)を選択

シャフトはフジクラのフジクラ スピーダーNX ブラック(6S)を選択

先調子系シャフトはつかまるが安定感がない、ボールは上がるが当たり負けをするというイメージがあったが、「スピーダーNX ブラック」は新たなVTC(VARIABLE TORQUE COREテクノロジー)を採用し、先端部から中間部にかけトルクを締めヘッド挙動を安定させ操作性を向上。オフセンターヒット時も剛性分布を最適化することでボールのバラつきを軽減。飛距離と安定性を高い次元で両立させたモデル。価格(税込)/4万4000円

吸いつくような打感とフィードバックが伝わる1本

ここからは堀越プロの試打結果とインプレッションをお届けしよう。

クラブを手に取った印象を聞くと、「このエポンのヘッドはかなりスタンダードな見た目で、好みが分かれにくく、万人受けするヘッドですね。難しいヘッドは構えた時からつかまりにくさを感じたりしますが、このヘッドはアドレス時に違和感はありません。むしろフェース面がスクエアで逃げても被ってもいなくて、真っすぐ打ち出せるようなイメージを持ちます。カチャカチャでフェースアングルを変えられるとのことなので、スライサーやフッカーに合わせてフェースの開閉度合いを調整できることが大きな強みですね。シャフトは60g台とこの企画の中ではやや重ためなスペックではありますが、素振りをした印象では良い意味で60gを感じさせない軽やかな振り心地です」と語り、「実際に打ってみたいと思います」と早速試打を開始。

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

画像: 弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

いつものようにヘッドスピード42m/sで試打。

「カタログでは先中調子と書いてあるけれど、そこまでピンピンに先が走る感覚はなくて、とても振りやすいです。振りやすい理由としては全体的な重量が重たく感じますが、振ると先端が心地よく走ってくれるから。そういう挙動はとても軽やかな印象を受けます。実際に球を打った印象はとても好きな打感です。ヘッドもあるかもしれませんが、ほどよくこもった打音でインパクトの瞬間は手に吸い付くようなフィーリングがあります。球を押していける感覚があるので、とても操作しやすいです」とかなり好感触。「何球か打ちましたが、データもキャリーやスピン量が大きくぶれることなく安定した距離、スピン量を確保できています。ヒールに当たっても大きく曲がらず寛容性があり、スライサーに打っていただきたい1本ですね」(堀越プロ)

なお、ヘッドスピード42m/s前後で5球を打っての平均は下記のとおり。

ボール初速●61.2m/s
打ち出し角●13.5度
スピン量●2603rpm
キャリー●223.3Y
総飛距離●243.3Y

総評

画像: 「シャフトが良く働いてくれていて、60g台を感じさせない振りやすさです」(堀越プロ)

「シャフトが良く働いてくれていて、60g台を感じさせない振りやすさです」(堀越プロ)

「このエポン×スピーダーNX ブラックの組み合わせは、球がつかまらなくて悩んでいる人や、切り返しからリリースするタイプのスウィングタイプにとても合うクラブだと感じました。またスウィングタイプや好みによってフェースアングルを変えたり、シャフトを変えることでターゲット層や性能自体が変わってくるので、自身でカスタムする楽しさが得られるヘッドだと思います」(堀越プロ)

グリーンフィールド

画像: グリーンフィールドの外観写真

グリーンフィールドの外観写真

クラブのお悩み相談はもちろん、レッスンも受けられる工房となっている。
レッスンの詳細は公式HPをチェック。

住所/広島県福山市曙町3丁目22-1
営業時間/平日:10時~18時 土日祝:11:00-19:00
定休日/詳細は公式HPからご確認ください
電話番号/084-971-3587

THANKS/クレアゴルフフィールド

「ぶっ飛びドライバー」のバックナンバーはこちら

もっと読みたい人はこちらをクリック

This article is a sponsored article by
''.