
年間250ラウンドをする小野寺誠プロ
解説/小野寺誠プロ
1970年生まれ。真夏の暑さも真冬の寒さも、雨や強風もものともせず、年間250ラウンド以上コースに出る「現場主義」の指導力に定評がある。
強く打つのではなく振り幅を大きくする
夏のゴルフでスコアを崩す要因のひとつが重いグリーンだ。
「真夏の暑い時期は、芝の管理上グリーンを短く刈れないので、どうしてもグリーンが重く、遅くなりがちです。重いグリーンでショートが続くと、無理に届かせようと強くヒットしてしまい、タッチのフィーリングを失いやすいので注意が必要です。強くヒットするのではなく、振り幅を大きくして『長い距離を打つ』イメージで対処することが基本ですが、重いグリーンでも転がりを確保しやすい打ち方があるので、知っておいて損はありません」

重いグリーンでショートが続くと届かせるために強くヒットしようとするとタッチの感覚を失いやすく転がりが悪くなる(画像左)。アドレス時の左手首の角度がストローク中に崩れないように注意し、ややハンドレイトにインパクトするのがベスト(画像右)
少しロフトをつけてインパクトし、ボールを「キャリー(スキッド)させる」こと。パターでも、インパクト後は少しボールが浮いて、その後着地して順回転になるが、このキャリー区間が普段よりも長くなるように打つことで、重いグリーンでも転がりが悪くなりにくい。

ロフトを増やしてインパクトすることで、打ち出し直後のキャリー(スキッド)が増えて地面との抵抗が減り、グリーンが重くても転がりが安定しやすい
ドリル①「左手素振り」でイメージを作ろう

左手1本でパターを持ち、左手首をロックして素振りをすると、左手首の角度を変えずにストロークする感覚を養いやすい。実際に球を打つ練習もしてみよう
夏のグリーンは時間とともにスピードが変わる
早朝/芝の上に朝露が残る時間は超重い

これくらい朝露が残ってしまっては練習と割り切るのも大事
早朝スループレー時の前半など、グリーンを刈る前の状態は朝露が残っていて超重い。無理に届かせようとせず、練習と割り切ることも大事だ。
午前/刈った直後から乾くにつれて速くなる

夏は芝が刈れないためスピードが速くできない。とはいえ芝刈り直後はそこそこある
芝刈り後の午前中しばらくの間は、暑さでグリーンが乾いていき、スピードが速くなる場合が多いが、真夏はそこまで速くはなりにくい。
午後/芝が伸びていく分、スピードダウン

夏は芝の発育が良く、伸びが良いので午後はグリーンが遅くなる
真夏は芝の成長が速いのでみるみるうちに伸びていき、時間の経過とともにグリーンは遅くなる。夕方と朝では大きな差が出る場合も多い。
TEXT/鈴木康介
PHOTO/姉﨑正
THANKS/芳賀CC
※2024年8月20日・27日合併号「真夏のゴルフ攻略法」より一部抜粋