パッティングにおいて「打ち出し角によってボールの転がりは変わる」と語るのは、ルーキーの菅楓華らを指導する平田智コーチ。簡単にできる適正な打ち出し角を確保するチェック方法を教えてもらった。

教えてくれた人/パッティング専門の平田智コーチ

画像: 平田智パッティング専門コーチ

平田智パッティング専門コーチ

エンジョイゴルフ ゴルフスタジオ&パッティングラボラトリー福岡でツアープロからアマチュアまで教える。女子プロの菅楓華や今年ステップ・アップ・ツアーを制したアマチュアの都玲華を教える。

パターのロフトは打ち出し角を確保するため

パターにはロフトがあるということは皆さんご存知だと思いますが、今使用しているパターのロフトが何度かご存知ですか? スタジオでレッスンをする際にはロフト角やライ角の測定しますが、この質問に答えれる方は2割ほどしかいません。

使用しているドライバーやアイアンのロフトは知っていてもパターのロフト角が何度か知らないという人はとても多いです。しかしパターのロフトもボールの打ち出し角を確保するためにとても重要な要素です。

なぜ打ち出し角が必要かというと、グリーン上ではボールの重さでわずかに芝に沈んでいます。速いグリーンであれば芝は短く刈っているため沈むのはわずかですが、特に夏のグリーンは刈高が長いため、より沈んだ状態になっています。

実際にボールを打つときに打ち出し角が0度以下だと打ち出される瞬間に芝に引っかかり、勢いが弱められたり、ボールが跳ね上がったり(いわゆる「バウンド状態」)します。そのためにパターのロフトで打ち出し角を確保し、インパクト時の芝の抵抗を減らす必要があるのです。

しかし、打ち出し角が高すぎるとボールが浮き上がりすぎてしまい、地面に着地する際に芝との摩擦で転がりが悪くなったり、スピン軸が傾き、真っ直ぐに転がらなくなります。

グリーンスピードが10フィートを超える速さのグリーンでは、インパクトで芝に沈んだ状態から脱出しつつ、ボールが浮き上がりすぎないちょうど良い打ち出し角は1.5〜2度です。8フィートや9フィートのグリーンスピードであれば2~2.5度の打ち出し角になりようにおすすめします。

打ち出し角を作るには、ロフト以外にも入射角が関係します。アッパー軌道が強すぎると最下点がボールの手前になりすぎて、打点のズレに繋がるので極端なアッパー軌道はおすすめしません。

パット用の計測器で計測したデータを分析すると、打ち出し角を決める要素の中ではインパクト時のロフト角が約90%の割合を占めるため、インパクト時のロフトは1.5〜2度が良いということがわかっています。

市販のパターのロフトは3度の場合が多いため、1〜1.5度ハンドファーストでインパクトしたいということになりますが、ロフトを1度立てるためには、34インチのパターの場合、グリップエンドを1.5センチハンドファーストにする必要があります(画像①参照)。

その方法は、通常のグリップ幅はほとんどが2~3センチなので、シャフトを地面と垂直に構えた状態からグリップの幅1つ分左にずらすことで、1~2度のロフトが立ったハンドファーストの構えを作ることができます。

まずはパターのロフト角を確認し、その上でインパクト時のロフトを1.5〜2度で打つための構えを作っていきましょう。

画像: 画像①/グリップ幅ひとつ分左にずらすことで適正なインパクトロフトを得られる

画像①/グリップ幅ひとつ分左にずらすことで適正なインパクトロフトを得られる

文・写真/平田智(パッティング専門コーチ) 
取材協力/エンジョイゴルフ福岡

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