教えてくれた人/パッティング専門の平田智コーチ
エンジョイゴルフ ゴルフスタジオ&パッティングラボラトリー福岡でツアープロからアマチュアまで教える。女子プロの菅楓華や今年ステップ・アップ・ツアーを制したアマチュアの都玲華を教える。
ボールの打ち出し方向は決める要素とは?
パッティングにおいて大事な要素の1つが、狙ったところにボールが打ち出せるかどうかです。よく引っかけや押し出しといった悩みを聞きますが、やはり狙ったところにボールが打ち出せないとカップインの確率は低くなります。
今回は「打ち出しを決める要素」について、「打ち出し方向を安定させる練習方法」をご紹介します!
パッティングにおいて打ち出し方向を決める要素は2つあります。それは①インパクト時のフェースの向きと②クラブパス(クラブの軌道)です。そして、打ち出し方向を決める割合の90%を占めるのが①のインパクトのフェース向きで、②のクラブパスは10%になります。
例えば2mのストレートラインでは、打ち出し方向が1.5度ズレるとカップを外れることがわかっています。このとき、クラブパスが0度(ストレート)であれば、インパクトのフェースは1.6度までズレても入る計算になります(1.6×90%=1.44度)。
逆にインパクトのフェース向きが0度の場合は、クラブパスは15度を超えなければカップインできるとになります(15度×10%=1.5度)。
このことからパッティングの打ち出し方向においてはインパクトのフェース向きが1番重要だということになります。つまり多少クラブパスがアウトサイドインであったりインサイドアウトであってもインパクトでフェースがターゲットに向いていればカップインの確率はかなり高まります。
もちろん上記のようにクラブパス15度など数字が大きいと打点のズレが生まれたり、サイドスピンが増えてしまうので改善したい要素ではあるのですが、優先度としてはインパクトのフェース向きを整えることが優先になります。
打ち出し方向を安定させる練習方法!
それでは自宅でもできる、インパクトのフェース向きを安定させる練習方法をご紹介します。まずは定規とガムテープを用意します。
打ち出したい方向に定規を置き、そこに垂直にガムテープを貼ります(写真A)。次に、定規の35cm先にゲートを作ります。ゲートの幅は6cmになるように設置してください(写真B)。
今回は使用済みの乾電池を置いていますが、コショウなど調味料の瓶などでも問題ありません。後はガムテープの向きにフェース面を合わせて打ち、ゲートの間を通します。
ボールの大きさは4.2cmあるのでゲートを通る許容範囲は1.8cmとなります。35cm先で1.8cmのズレは約3度となるため、ガムテープとフェース面を合わせた状態からインパクトでフェースが約1.5度開いたり閉じたりするとゲートに当たることになります。
つまりゲートを通すことができれば2mはカップインできるという計算になります。この練習を繰り返すことで、打ち出し方向のズレは減りますので是非ご自宅でお試しください。
文・写真/平田智(パッティング専門コーチ)
取材協力/エンジョイゴルフ福岡