レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。フルスウィングしたときに気持ちよく振れるように「ハーフスウィング」からレッスン中。今回は「姿勢の作り方」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本㉓】
画像: 格好いいアドレスはナイスショットの秘けつ

格好いいアドレスはナイスショットの秘けつ

正しい姿勢とは?

原田 そもそもクラブを握るときには両手を下に下げないと握れません。今回説明する姿勢とは、このときの姿勢の作り方です。

GD 自分は構えたときの姿勢が格好悪いとよく言われます。でも、自分ではどこがどう悪いのか分かりません。

原田 そういう人はたくさんいます。正しい姿勢はね、自然体でスッと立ったところから、まず腰を後方に引いて上体を前傾します。それから両ひざを軽く曲げます。このときにひざから先に曲げてはいけませんよ。

GD 自分は両ひざから先に曲げていました。

原田 それはNGです。両ひざから先に曲げてしまうと、腰が落ちて上体が起きてしまいます。絶対にやらないようにしましょう。

GD 確かに自分は腰が落ちている感じになっていますね。これから注意します。でも、正しい姿勢を作るとき、どのくらい腰を引いたらいいのか、どのくらい上体を前傾したらいいのか、さらに、どのくらい両ひざを曲げたらいいのかがつかみにくいです。

原田 大丈夫です。私たちのカリキュラムにはその目安がありますから。

GD ぜひ聞きたいです。

正しい姿勢の作り方

画像: 写真①/スッと立ってから、腰を後方に引いて、両ひざを曲げる。正しい姿勢の作り方

写真①/スッと立ってから、腰を後方に引いて、両ひざを曲げる。正しい姿勢の作り方

原田 では、説明しますよ。写真1左でわかるように自然体で真っすぐに立っていると、両肩の前の線を下に下ろしていくと足の甲あたりにきます。で、腰を後方に引いて上体が前傾していくと肩は前に出ます。そのときの目安は肩の前から下に下ろした線がつま先と一致するところまで前傾します(写真1中央)。そして両ひざはひざ頭の前から下に下した線が足の親指の付け根くらいにくるまで曲げます(写真1右)。これが正しい姿勢を作る目安ですね。

GD ちょっとやってみます。真っすぐ立って腰を後ろに引いてから両ひざを曲げてと……。

原田 それじゃあ曲げすぎですよ。曲げるというかひざを緩める感覚のほうが分かりやすいかな。

GD あ、緩める感覚ですね。確かに今年3勝の川﨑春花プロは大体スッと立ってちょっとだけひざが曲がっている感じですもんね。米ツアーでもそういう構えの選手が多く、パリ五輪で銀メダルを獲ったトミー・フリートウッド選手もそんな印象でした。

スッと立って腰を引いてひざを少し緩める感じ

画像: ひざを緩める感じはトミー・フリートウッドを参考に(撮影/岡沢裕行)

ひざを緩める感じはトミー・フリートウッドを参考に(撮影/岡沢裕行)

原田 最近のプロ選手は男女を問わずスッと立って腰を引いてひざを少し緩める感じが多いですよね。ぜひ参考にしてください。

GD で、肩の前のラインがつま先にくるところまで上体を前傾して、両ひざの前のラインは親指付け根あたりくるようにするんでしたね。あ、なんか格好よくなった気がします。今まで両ひざを先に曲げて腰が落ちていたせいもあるんでしょうけど。

原田 いいですね。今の感覚を忘れないでください。あとね、背中の下、腰の上あたりに軽く張りが持てるようにしてください。では、次は正しいアドレスを作るための8つのポイントの4つ目、体重配分に入りましょう。

GD 自分は体重配分もよく分かっていないと思います。自分としては少しかかとにかかっているような気がしています。

原田 多くの人にレッスンをしていると、右足に多くかかっている人よりも左足に多くかかっている人が多いです。そうなっていると、いわゆるギッタンバッコンになっちゃうんです。注意してください。

GD 言われてみると、トップやダフリが多いのはそのせいかも……。

構えたときに両足は土踏まずの上に乗るのが正解

画像: ひざを曲げたときに、体重は土踏まずの上に乗る。つま先やかかとに体重が乗らないようにしよう

ひざを曲げたときに、体重は土踏まずの上に乗る。つま先やかかとに体重が乗らないようにしよう

原田 構えたときに体重は両足の土踏まずの上に乗るのが正解です。姿勢の作り方で、両肩の前から下した線がつま先の上にくるまで上体を前傾させ、両ひざの前の線が足の親指の付け根の上にくるまで両ひざを曲げていくと、体重は両足の土踏まずの上に乗るんです。つま先側でもかかと側でもなくて、真ん中の土踏まずの上ですね。だから正面から見たら体重配分は左右均等、後方から見たら両足土踏まずに体重が乗るのが正しい体重配分となります。

GD ひとつ質問です。前に「背骨が目」というテーマのとき、アドレス時の背骨は前傾しているだけでなく、グリップで右手が左手よりも少し下になる分、右にも傾いているという説明でした。背骨が右に傾いていると、正面から見たときの体重配分は右に少し多めにかかる気がしますが、違うんですか?

原田 違いますね。あくまでも体重は左右均等にした上で背骨を右に傾けるんです。では、次回は正しいアドレスの8つのポイントの5つ目、グリップの位置を説明しましょう。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/都留グリーンゴルフ

正しいアドレスを作る8つのポイント

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