今回は『ヤマハ インプレス ドライブスター タイプD ドライバー』を紹介します。今モデルの最大のポイントは新テクノロジーの「OCTA ANGLE CARBON FACE」。従来のカーボンフェースを超える強度と反発性能が詰まった性能を有するといいます。さらに打点ブレへのやさしさも追求し、驚異的な慣性モーメントを記録したヘッドになっているとのことです。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「球のつかまり性能が高いドライバー」と分析しています。前モデルの『ドライブスター ドライバー』と比較しながら考察しました。

【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●60.0度 体積●460cc 価格(税込)●9万7900円 ※メーカー公表値

大慣性モーメントを狙ったクラブ設計

GD 今回は『ヤマハ インプレス ドライブスター タイプD ドライバー』を分析していただきます。今モデルのテクノロジーとしてフェースにカーボンが使用されています。最初にカーボン素材の特性について教えてください。

松尾 一番の特徴は他の素材に比べて「軽く、強い」ことです。フェースにカーボンを使用することで、強度を保ちながら軽い重さで仕上げることができます。

GD ある程度決まったヘッド重量の中でどの部分を重くしようかとなった時、軽くて強度が高いカーボンを使えば重量配分の自由度が上がるわけですね。反発性能に関してはどうなんでしょうか?

松尾 カーボンフェースの平均的な厚さは約5ミリくらいあり、チタンフェースに比べてかなり厚くなっているのが実情です。現在のカーボン材料では強度的にチタンのように薄くするのは難しいです。

左が前モデルの『インプレス ドライブスター ドライバー』、右が『インプレス ドライブスター タイプD ドライバー』。積層カーボンフェースで余剰重量を捻出し、幅広い重心設計を可能にした

GD 反発性能に関してはチタンフェースには及ばないということなんですね。ヘッドデータで何か気になるポイントはありますか?

松尾 クラブ重量を見てみると前モデルが297.8グラム、今モデルが288.6グラムと約9グラム軽くなっています。ヘッドスピードが速くない人でも振りやすいドライバーに仕上げる狙いがあると思います。

GD カーボンフェース以外に「打点ブレへの強さを高めた」と謳っていますが、いかがでしょうか?

松尾 ヘッドの慣性モーメントを比較すると前モデルが5409g・㎠、今モデルが5760g・㎠と非常に大きい設計にされています。その関係で重心深度が前モデルの44.4ミリから、今モデルでは47.0ミリとさらに深くなっています。

加えてフェースの高さが、前モデルが54.8ミリに対して今モデルが57.8ミリと3ミリも高くなり、ディープフェース設計になっています。ディープフェースにすることで、左右のみならず上下の慣性モーメント増大を狙った設計になっていると思います。

GD 大慣性モーメントを狙い、芯を外したミスヒットにやさしいヘッドになっているわけですね。その他で気になったポイントはありますか?

松尾 ヘッドデータ以外の特徴としてフェースが平らな形状をしています。そのメリットとしてギア効果の増大とインパクトでフェースの開きにくさ(右に出にくい)が上げられます。その反面、ギア効果で打点が外れた時に球が曲がり大きくなることがあるでしょう。

GD しっかりと芯で捉えればボールを逃さずにつかまえてくれる。しかし芯を外すと曲がってしまうのが平らなフェースの特徴なんですね。では『ヤマハ インプレス ドライブスター タイプD ドライバー』はどんなゴルファーにおすすめですか?

松尾 ヘッドの慣性モーメントが大きく、操作性の目安となるネック軸回りの慣性モーメントも大きい。一度フェース管理が狂うと軌道修正するのが難しいです。しかし今モデルはフックフェース設定のフェース角やアップライトなライ角のおかげで「ボールがつかまるヘッド性能」になっています。大慣性モーメントヘッドでお助け機能を借りながら、ボールをつかまえて飛ばしたい方は一度試されるといいと思います。

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