こんにちは。桂川有人です。先週のアクシオナスペインオープンでは、1打足りずに予選落ちしてしまいました。悔しいですけど、落ち込んではいません。僕って結果に関係なく「あまりしんどそうに見えない」と言われることもあるんですけど、もともと顔に出さないようにしているんです。やっぱり”淡々と“やっているほうが自分のスタイルに合う。ただこれは意識しているというか、もとの性質というか……でもそちらのほうがいい結果になることも多いんです。そう、僕はあまり怒ったりすることがない性格なんですよ。
僕が人より落ち込まないのは、ゴルフだけにとらわれて人生を考えていないこともあるのかもしれません。最悪、ゴルフ以外でも生きていけるという感じでいます。頭の片隅にはゴルフ以外でも幸せなことはたくさんあるという思いがあるんです。それに世界にはヨーロッパツアーを目指して、その下部ツアーから挑戦している選手がたくさんいます。それを考えたら、今、僕がこの場に居られること自体が幸せなこと。もちろん上を目指してはいますが、まずは、自分のゴルフができるようにすることが肝心です。
終盤になり選手のフィールドも厚くなっていますが、あまり周りは気にしていないんです。自分のゴルフに集中して、自分の思ったゴルフができればいい。自分の思うようにできたとき、どういう成績になるか試したいんですけど、なかなか納得できるまでいけていないんです。もちろん、こういう状況になっていることも今の実力で、足りない部分も多いことも痛感しています。こういった悪い状態でのレベルを上げるということも課題ではあります。
さて、ヨーロッパ生活は、意外と楽しんでいますよ。毎回初めてのコースでプレーできるのがすごく楽しいんです。僕はホームシックにはめったになりません。ひとりっ子というのもありますけど、高校のときから一人でフィリピンに行ったりしているので。そういえば、今まではあまり観光することはなかったんですけど、アイルランドオープンのとき、久常涼が誘ってくれたのでダブリンで一緒にハリー・ポッターのモデルになっている図書館に行きました。ふふふ。あ、別にハリー・ポッターが好きなわけではないんですけど、何もすることがなかったので(笑)。空港からの移動途中に寄れましたし。でも、行ってすごくよかった。久常は普段も観光するタイプらしく、こういうことも必要かもしれないと思いました。
アイルランドではご飯も日本選手と一緒に行くことが多かったです。ゴルフ場の近くの小さな町にご飯を食べるお店がたくさんあったので。川村昌弘さんとも地元で人気の現地グルメ、シーフードチャウダーを食べに行き、そのほかはフィッシュ&チップス、ピザなどを食べて(笑)。すごく美味しかったです。やっぱり魚が食べられるといいですね。お昼のプレーヤーズラウンジでは、相変わらずパスタ中心ですけど。ふふふ。イギリスではオフィシャルホテルの周りに何もなかったから、またウーバーなどを使いました。スペインはマドリッド近郊のコースでしたけど、パエリアを食べましたよ。一人で(笑)。イカ墨のパエリアにしましたけど、すごく美味しかったです。
実は先週のスペインが終わっていったん帰国しようと思っていたんですけど、予定を変更しヨーロッパに残ってフランスオープンとアンダルシアマスターズに出場する予定です。次戦は来週開催のフランスオープンで、少し早めに入るつもりにしています。松山(英樹)さんが銅メダルを取ったパリオリンピック開催のコースで、昨年久常が優勝したコース。楽しみです。そのル・ゴルフ・ナショナルも難しいというか、ティーショットがすごく大事なので、何とかよくなるように調整しています。
それにしても(星野)陸也さんは毎試合きちんと予選を通って上位に行かれるので本当にすごい。PGAツアーにも行けそうですよね。でも僕はそんなに焦ってはいないんです。もちろんPGAツアーには上がりたいし、そういう強い気持ちも大事ですけど、それが焦りになってもいけないのでバランスを保つようにはしています。悪いときって絶対にある。そういうときには逆に開き直って。そのメンタルコントロールが大事です。とにかく今の目標は、DPワールドツアーの最終戦であるドバイに行くこと。この目標設定にしたので今の自分の状態でも意外に楽しめるんです。
久常も、2週連続で1打足りず予選落ちたあとにフランスオープンで優勝したと言っていました。そういうパターンもあると思うので、今の自分のゴルフと向き合って、自分の満足できるゴルフができれば自然といい成績に近づくのかなと。そこに集中したい。とりあえず目の前の2試合。最後まで頑張りたいです!
写真/桂川有人