太平洋クラブ御殿場コースで開催されているアジアパシフィックアマチュア選手権は降雨のため2日連続順延となり選手たちは厳しい戦いを強いられている。そんななかフィリピン代表に『シンイチ・スズキ』の名前を発見。日本人の父とフィリピン人の母を持つが日本語は話せない。「名前の漢字? わかりません」と済まなそうに肩をすくめる彼に話を聞くとじつは桂川有人と深い関わりがあった。
画像: フィリピン代表として参加しているスズキシンイチくん。つぶらな瞳がチャームポイント

フィリピン代表として参加しているスズキシンイチくん。つぶらな瞳がチャームポイント

第3ラウンドの9ホールを終えて通算1オーバー22位タイにつけたシンイチ君。友達から「シン」と呼ばれている彼は7歳でゴルフを始め現在のハンディキャップは+5。アジアパシフィックアマは昨年に続き2度目の出場だ。

ゴルフの手ほどきをしてくれたのはクラフトマンの父・ゆきおさん。高校時代をフィリピンで過ごした桂川の最初のコーチがゆきおさんだった。父の工房があるマニラ・サウスウッズGCを訪れたシンイチ君は桂川がプレーしている姿にしびれた。「自分もゴルフがしたい」と父に訴えたのが7歳のとき。

以来、2人は共通の師匠を持つ兄弟のような関係に。桂川がフィリピンに居るときは常に一緒に練習し、ラウンドを重ねている。

将来の夢はプロゴルファーだが直近の目標はアメリカか日本の大学に入学しゴルフ部で腕を磨くこと。「日本に留学するなら日大に行きたい」と桂川の母校行きを切望している。

「フィリピンはまだ裕福な家の子供しかゴルフはできません。だからジュニア熱が上がっているわけではないけれど、自分がパイオニアになれれば」とシンイチ君はつぶらな瞳を輝かせた。

携帯には兄と慕う桂川と一緒に写った写真がいっぱい。現在、DPワールドツアーで戦う憧れの人といつか同じ舞台に立つことが16歳の夢だ。

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