この日の最終ホールとなった5番グリーンで話をする中野麟太朗(右)とウェニー・ディン(左)
第2ラウンドを8時前に終えた中野は、公式動画のインタビューを受け、その後、「今週調子がいい」というショートゲームを支えているパッティングを入念にチェック。そして、「一旦ホテル帰って1時間ぐらい寝ました。でも普通になんか意外と時間がなくて、こっちにまた2時間ちょっと前ぐらいに戻ってきていつも通りコンディション整えて、14時30分には練習しているみたいな。そんな感じでちょうどよかったです」とサスペンデッドをしっかりと受け入れている様子。
というのも、今年5月に今回と同じ太平洋クラブ御殿場コースで開催されてDPワールドツアー「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント！」や6月の「日本アマ」、8月の「フジサンケイクラシック」と自身が出た大会のほとんどでサスペンデッドを経験しているからだという。「3つある今年の目標のひとつ」という今大会は、これまでの経験を糧に、いい精神状態で挑めているようだ。
さて、15時39分に1番ティーからスタート。日没との闘いでもある。これまでの2ラウンドと同様、世界アマランク4位のウェニー・ディンと、そして初日トップだったインドネシアのランディ・ビンタンとの最終組。中野とディンはほぼ飛距離が同じで、ビンタンは20ヤードほど置いて行かれている。
中野とディンはフェアウェイウッドを選択する5番ティーショットをビンタンはドライバーで打っていた
中野＆ディンとビンタンは攻め方は違うものの全員が1番、2番とパーセーブした3番ホール(パー5)。第1ラウンドでイーグル、第2ラウンドでバーディを奪っている中野と相性のいいホールでスコアが動く。
3人ともティーショットはフェアウェイキープしたものの、ディンはフェアウェイウッドで放ったセカンドで右手を離すミスショットでグリーン手前50ヤード地点の右ラフに。また、ビンタンはセカンドショットもフェアウェイをキープしたが、サードショットはグリーン左にズレパーオンならず。一方の中野は3Wで放ったセカンドをしっかりピンまで20ヤードの花道につける。パーオンを逃したビンタンがボギーで一歩後退し、サードショットでグリーンに乗せるだけになったディンが2パットのパー。花道からしっかり寄せた中野がバーディを奪い、2位との差を2打に広げた。
この後、辺りが暗くなり始めた4番(パー3)を全員がワンオン、2パットのパー。5番のグリーン周りにいたところでサスペンデッドを知らせるホーンがなり、ディンはパーパット、ビンタンがボギーパットを沈めるも、中野は難しいパーパットを残し、この日のラウンドは終了となった。
3日目、サスペンデッド後の中野は自身の調子を「ショートゲームは安定していますが、最高ではないです」と話し、とくに5番ホール、「雨の影響で飛ばないかな」と思い、朝の第2ラウンドでは2UTで打ったティーショットを3Wで打ち、右のファーストカットに。グリーンを狙うには木が邪魔になる。何とか木の上を抜けたがグリーンの左ラフへ。この一連の流れを「マネジメントでちょっとしたミスをしてしまい、明日朝イチで難しいパーパットを残してしまいました」と話す。
5番セカンドショットで木の上を越すための番手を考える中野
とはいえ、ラインが読めないほどの暗がりの中で、1.5ピン以内のパーパットを選択しなかった、冷静な判断力は失われていない。「前の4番グリーンで辞めたいなって思うほど、暗いゴルフが嫌いで」と自身の弱点を理解し、プレーできている結果が、現状の2打のアドバンテージを生んでいるのではないか。
「やっぱり、サスペンデッドが多くなると、疲労も残りやすいですし、明日はもう5番のパーパットを除いても、6番からだと31ホールあることになるんで、ちょっと今日はちゃんと休みたいなと思います」と疲労を口にした中野のラウンド再開は、今日の6時30分から、5番グリーンのパーパットから。
残り31ホール。夢のマスターズへ、中野の最後の長い一日が始まる。
撮影／小林司
第3ラウンドサスペンデッド時／日本人選手10人の成績
1位／8アンダー（5番Hプレー中）／中野麟太朗（ナショナルチーム・早稲田大）
8位T／4アンダー（8番Hプレー中）／丸尾怜央（日章学園高）
10位T／3アンダー（11番Hプレー中）／隅内雅人（日本大）
12位T／2アンダー（10番Hプレー中）／小林翔音（日本大）
12位T／2アンダー（8番Hプレー中）／福住修（専修大）
12位T／2アンダー（7番Hプレー中）／松井琳空海（四国学院大学香川西高）
17位T／1アンダー（9番Hプレー中）／本大志（ナショナルチーム・アリゾナ大）
24位T／2オーバー（10番Hプレー中）／古瀬幸一郎（東北福祉大）
49位T／7オーバー（18番Hプレー中※）／豊島豊
49位T／7オーバー（15番Hプレー中※）／佐藤快斗（ナショナルチーム・東北福祉大
※はインスタート
（公式サイトのリーダーボードより）
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