今日から開催する日本オープン選手権(7251Y・P70)には9名のアマチュアが参加する。先週のアジアパシフィックに参加し、惜しくもマスターズ出場は逃したものの3位という好成績で終えた早稲田大学3年の中野麟太朗と、同じく早稲田大学3年で10月7日まで国体に出場していた竹原佳吾。2人の実力派アマチュアに直撃した。

中野「パーを積み重ねる安定感のあるゴルフを」

10月3日から6日に行われたアジアパシフィックアマチュア選手権に出場した中野。惜しくもマスターズ出場の切符は逃したが、大会3日目のサスペンデッドまで2位と2打差の単独首位と調子は良さそう。

「このコースはティーショットとグリーンが難しいです。ラフもめちゃくちゃ長くて、フォアキャディさんのお陰でなんとかボールは見つかるものの、ラフからのショットは1回もグリーンに乗りませんでした。入ってしまうと58度で出すしかなくて、もう長すぎてパワーうんぬんではないんですよね」

画像: 雨のなか練習ラウンドに参加した

雨のなか練習ラウンドに参加した

他の選手と同様、やはりラフが難関と感じているようだ。

「アジアパシフィックのときはスコアを出さないといけなかったので積極的にドライバーを持っていたけど、今回はドライバーを持っても意味がない感じのホールが多くて。とはいえドライバーが一番方向性がいいので、パー3を除いた14ホールのうち8~9回は持つと思います。

どのホールもラフに入れたら難易度が一気に上がってしまいますが、インもアウトも最終ホールが難しくて。特に9番は距離が長い(471ヤード)のに刻む可能性が出てきてしまうんです。3番ウッドで刻むとセカンドで200ヤード残ってしまうし、しかもグリーンが小さくて……。今日は雨でグリーンが軟らかかったので、大きめの番手でコントロールショットしたり、距離が丁度よければフルショットしても止まってくれたんですが、初日からは天気が回復するので徐々に変化するグリーンコディションにアジャストしていければと」

昨年は11オーバーで58位という成績だった中野。「今回の目標は4日間イーブンで回ることです。スコアをバーンって出すようなプレーは無理かなと思うし、きちんとフェアウェイキープしてパーを積み重ねていくゴルフがしたいですね。伸ばし合いにもならないと思っているので、欲を出さずにしっかりスコアキープしていきたいなと思います」

初日は7時35分に10番ホールから稲森佑貴、今平周吾とスタートしている。

竹原「チャレンジ精神を忘れずにプレーしたい」

竹原は中野と同じ早稲田大学ゴルフ部3年生。3日前まで代表選手として国体に出場していた。彼も他の選手と同様にラフの難しさに言及した。

「狭くてラフも長くて、全ホール難しいコースでした。ラフは今までに回ったことがないくらいの深さで、入れてしまうと58度じゃないと出せないんですが、かといって刻みすぎると距離も長く残るうえにグリーンが小さいのでティーショットの精度がかなり重要だと思います。

画像: 左が竹原佳吾、右が中野麟太朗

左が竹原佳吾、右が中野麟太朗

“何をしてもティーショットは真っすぐ”というタイプではないけど、ラフからでもグリーンをキャッチしてパーを獲りにいくっていうマネジメント力が自分の強みなんですけど、調子がそんなに良くないというのもあるし、ある程度ボギーを許容してプレーしないとメンタルが持たないだろうなって。フェアウェイキープさえできればチャンスが生まれるホールもいくつかあったので、狙っていくところとそうでないところとのメリハリが大事かなと思いました」

ラフは全く苦手ではないとする竹原をも悩ませる今回のセッティング、日本一を決める試合というだけあってなかなかシビアなようだ。

「グリーンも小さいうえに傾斜が強くて、雨でも下りは結構スピードが出ていました。尾根に切ってあって上って下ってのラインが残ってしまうとタッチもつかみづらくてかなり難しいです。練習日と初日からの天気とかなり変わってくるとは思いますが、コースにでてみないと分からないことも多いので、臨機応変に対応したいです」

竹原が日本オープンに参加するのは今年が初めて。

「毎日耐えて我慢のゴルフをして、イーブンパー、少しアンダーくらいのペースで回りたいですね。とにかく予選は通過したい。通過したあとは上だけ見て頑張るしかないというか。初めての出場ではありますが、チャレンジ精神を忘れずにプレーしたいです」

初日は11時20分に10番ホールから芹澤慈眼、狩俣昇平とスタートする。

賞金ランキング上位のプロたちが多数いるなかで、2人の実力派アマがどう難コースに立ち向かっていくのか注目しよう。

PHOTO/Tadashi Anezaki

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