御殿場で開催されたアジアパシフィックアマチュア選手権では日本人選手10名全員が予選を突破。改めて日本のゴルフのレベルアップを感じさせた。

荒天で順延が続いた試合で途中までトップに立っていた中野麟太朗選手は、残念ながら優勝を逃し3位に終わったが、丸尾怜央選手が単独4位に入るなど、トップ10に5人の日本勢が名を連ねた。

アマチュアが世界の舞台で活躍するようになったのは、ナショナルチームのヘッドコーチ、ガレス・ジョーンズ氏による功績が大きい。金谷拓実、中島啓太ら“ガレスチルドレン”は、技術だけでなく練習法、タイムマネジメント、メンタルなどを彼から学び、それは昨年日本アマに勝った中野選手にも引き継がれている。

画像: ナショナルチームのヘッドコーチ、ガレス・ジョーンズ氏

ナショナルチームのヘッドコーチ、ガレス・ジョーンズ氏

すべての面でトップクラス

現在欧州ツアーで活躍する中島は、今季1勝したもののシーズン後半は苦戦を強いられている。だがガレス氏の評価は「完全にA」。

「毎週違う国、初めてのコースで戦いながら1年目で1勝を挙げたのはすごい。マスコミやファンは彼に期待し過ぎています。ゴルフはすぐに結果が出るわけではなく、誰にでも浮き沈みはある。啓太に時間をあげてほしい」。数ある教え子の中でも中島は「技術、人間性、メンタルすべての面でトップクラス」(ガレス氏)。

画像: 中島啓太プロ

中島啓太プロ 

海外やメジャーでもっと頑張れるのでは? と期待するのはもう少し待ってほしいというのだ。中野選手に関しては、「すごくのみ込みがいい。英語も話せるしワールドクラスのポテンシャルがあります」。

画像: 早稲田大学3年の中野麟太朗(PHOTO/Tadashi Anezaki)

早稲田大学3年の中野麟太朗(PHOTO/Tadashi Anezaki)

では我々アマチュアが真似できるナショナルチーム流メンタル術はないのか?

「あります。ミスショットしたとき絶対クラブから手を離さないこと。ミスを嘆いて体勢を崩したら、そのショットのフィードバックは得られない。クラブを持ったまま『すくっ』と立つフィニッシュを心がけてください」

地に足をつけたプレーをするちょっとしたコツがこれ。「大きくゴルフを変えるヒントです」とガレス氏は真剣な目で語った。

※週刊ゴルフダイジェスト10月29日号「バックナイン」より

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