「2打差はあってないようなもの」
10月12日、土曜日ということもあってギャラリー数は3700人に到達。いわずもがな石川遼はいつもの通り多くのギャラリーを連れていたが、中島啓太も負けていない。多くのギャラリーがティーイングエリアを囲むなか、11時55分に1番ホールからスタートした。昨日同様、天気は綺麗な秋晴れ、風もなく絶好のゴルフ日和だった。
1番のティーショットはアイアンで。フェアウェイ中盤以降は左足上がり、またつま先下りのライになっているため、その手前に刻む戦略だ。しっかりとフェアウェイセンターに置きパーセーブしてスタート。2番ではウッドを握ったものの左のラフに入ってしまう。そこからグリーンをキャッチできず、ラフからピン3mまで寄せたものの2パットでボギー。続く3番でもドライバーを右に曲げ、パッティングが10〜20cmズレてボギー。出だし3ホールでスコアを2つ落としてしまい、リーダーズボードを確認する様子が見られた。
その後もパッティングが合わせきれず、6番グリーンでは手首から腕をストレッチする姿が。ラフの深さのあまり、手首を痛めたのかと心配していたが「今日の午前中ジムに行って筋トレしたら腕の感覚が少しズレて、パッティングにちょっとだけ影響があって。力が入っちゃってたので脱力したいなと思って揉んだりしていました」とのこと。想定外に中島のストイックさに相まみえた。
その6番は惜しくも3パットボギー。3オーバー(トータル1アンダー)で後半へ。バックナインは初日、2日目とそれぞれ5アンダー、3アンダーときていて相性がよいと見えたので、いつバーディを獲るのかと期待していたところ、12番、13番で連続バーディ。13番のパー5ではティーショットが左のラフ、セカンドはレイアップ、長いサードショットが残っていたが、ピン3mほどの距離に落としてざわつくギャラリー。下り3mのパッティングをしっかり沈めた。スコアをトータル3アンダーまで戻して再び首位の座に。
15番のティーイングエリアでは、暫定トップなのをリーダーボードで確認してからドライバーを握った。フェアウェイが2つに分かれる特徴的なコースで、中島は“右ルート”を選択。しかし右フェアウェイの左ラフへ入れてしまい、3打目でピン5mに乗せたものの2パットでボギー。最終18番でもウッドで打ったショットが左のラフに入って、そこからグリーン右サイドのバンカーへ。ボギーが3日目の締めくくりとなってしまった。
トータル1アンダーの5位タイまで落としてしまった中島だが「トップとの差は2打なので、あってないようなもの。1打で全然ひっくり返るので、自分から変なミスをしないようにだけ気を付けます。明日は最終組の2つ前で回れるし、先に上がったほうが絶対に有利だと思うので、クラブハウスリーダーを目指していいプレーをしたいと思います。
試合も3日目で、月曜日から回っているのでラフからどれくらい飛ぶかっていう感覚はだいぶつかんできて。でも入ったらほとんど運なので、フェアウェイから打たないといけないのは間違いないと思っています。マネジメント的に元々ドライバーを持つホールは少ないけど、もっと積極的に攻めてもいいかなとも思うので、今夜作戦を練ります」
ホールアウト後はすぐにレンジと練習グリーンで調整する姿が。スコアを落としてもすぐに切り替えて次を見据えるのは、さすがストイックと言われるだけはある。「今日の朝筋トレしたので、明日は良い感じに整ってくると思います」。その言葉を信じて、最終日の快進撃に期待したい。
明日は、11時31分に1番ホールから1オーバーで6位のJ・デロスサントスとペアリング。
PHOTO/Tadashi Anezaki