今回18ホールついて回ったのは、昨年の日本オープン覇者の岩﨑亜久竜、PGAツアー賞金ランキング6位に位置するアダム・スコット、日本アマチュア選手権大会を史上最年少で制した松山茉生の3サム。
3名とも1番ホールではパーオンさせてしっかりパーをキープするところからスタートした。
動きが出始めたのは3番ホールから。松山がドライバーを使ったティーショットを左のカート道まで曲げ、3打目でグリーンをとらえてボギーとなった。つづく4番パー3ではグリーンをとらえたものの3パットしてボギー。一気に2つ落としてしまい、このまま調子が崩れるかと思われた。続く5番はパー5。585ヤードという長さだが、ティーショットから3打目までアイアン。飛距離のある松山ならではの戦略だろう。3打目をピンそばにつけて余裕のバーディ、6番のパー4でも距離のあるパッティングを決めて連続バーディ。あっという間にバウンスバックを遂げた。
その後、ティーショットをラフに入れたあとの軌道修正が上手くいかなかったり3パットがあったりしながら、最終ホールでダブルボギーを叩くとスコアは6オーバーになった。
「最後、18番のティーショットで入れたラフが本当に難しかった。ピン方向には絶対出せないと思って横に出す選択をしたんですが、どれくらい飛ぶのか全然想像つかなくて打ったら反対のラフにいっちゃって。明日は絶対18番のリベンジをしたいです」
プロアマの日に「ティーショットは3番ウッドと2番アイアンを多用してできるだけフェアウェイキープをしつつ距離を稼ぎたい」と話していた松山だが、予定通り18ホール中14ホールをドライバー以外のクラブでティーショットした。フェアウェイキープ率はアウトコースで約57.14%(パー3を除いた7ホール中4ホール)、インコースで約42.85%(パー3を除いた7ホール中3ホール)とまずまずの数字ではあるが、それでも67%近くパーオンさせ、前半には叩いたあとでもすぐに取り返すメンタルの強さを見せた。
海を越えて日本オープンに参加しているアダム・スコットは、ラフから寄せ切れなかったりフライヤーしたりで、ボギーがいくつかあったものの、ぐんぐん伸びる力強いティーショットはさすがPGAツアープレイヤー。決めきれないパッティングがありつつも、常にリズムが狂わずフェアウェイキープ率も約71%(パー3を除いた14ホール中10ホール)。特に印象的だったのは9番ホールでのバンカーショット。しっかりと寄せワンのパーをキープしてギャラリーからの声も大きく上がっていた。
昨年覇者の岩﨑は驚くほど安定したプレーを展開。ティーショットはほとんどフェアウェイウッドを使用し、そのお陰かフェアウェイキープ率は約86%(パー3を除いた14ホール中12ホール)、しっかりパーオンさせてパーを積み重ね、寄ったショットはしっかり沈めていく、そんなプレーだった。2番、3番とボギーがちらつく状況下でも気持ちを切らさずにパッティングでスコアをキープし、会見で本人が話していた通り全体的に調子が整っていた様子。最終ホールのティーショットを右のラフに入れ、バンカーにも入れ……と痛恨のダブルボギーはあったものの、最終スコアは1アンダー。7位タイでフィニッシュしている。
難セッティングのあまり、ビッグスコアはでないだろう、伸ばしあいにはならないだろう、と予測する人が多かった今回の日本オープンだが、初日を首位で終えた池村寛世は7アンダーのスコア63。日本オープンには過去に6回出場しているが、12位タイが自身の最高成績だ。このまま首位を走り抜けてメジャー初優勝を遂げるのか、はたまた他の選手の怒涛の追い上げが始まるのか。明日以降も目が離せなくなりそうだ。
PHOTO/Tadashi Anezaki