連日、東京ゴルフ俱楽部のラフの手強さに言及し、さらに選手たちのプレーを実際に見ていると、もはや「攻略にはフェアウェイキープが欠かせない」ということは語るまでもない事実と分かってくる。実際、不動のフェアウェイキープ率No.1を誇る稲森は、多くの選手たちが手を焼く今大会でも初日のスコアは3アンダーの3位タイ。これは先週のACNチャンピオンシップ初日と同スコアで、コースの狭さ、ラフの難しさに左右されないプレーをしているのではと気になった。ということで、2日目は稲森佑貴に密着してきたのでレポートしよう!

2日目のフェアウェイキープ率は92.85%!

稲森佑貴といえば、2015年から8シーズン連続でフェアウェイキープ率1位を記録する“日本一曲がらない男”。今季も10月11日時点でフェアウェイキープ率は80.407%。2位の金谷拓実に12%以上の差をつけている。予選初日はフェアウェイキープ率100%(パー3を除いた14ホール中全て)、7バーディ4ボギーの3アンダー、曲がらないという強みを活かし3位タイで2日目を迎えた。

初日から同組の今平周吾は4アンダーで2位、早大3年の中野麟太朗は6オーバーで78位タイからスタート。天気はすっきりとした秋晴れで、風もない日本オープン日和。

画像: 初日から引き続き、稲森佑貴、今平周吾、中野麟太朗が同じ組

初日から引き続き、稲森佑貴、今平周吾、中野麟太朗が同じ組

1番ホールから出て、最初のティーショットはウッドを握ってフェアウェイセンターへ。セカンドをピンから4~5mの距離に乗せてパー発進。続く2番でもフェアウェイセンターからグリーンオン。2.5mほどの下り、フックラインのパッティングを沈めてひとつ目のバーディ獲得となった。

その次の3番では、予選2日間で初めてフェアウェイを外して左サイドに位置するバンカーへ。身長169cmの稲森がすっぽり隠れるほどの高さだった。「めっちゃ高いバンカーでしたね。あごに当たってバーンが一番だめだから50度で出して。そしたらサードショットは190ヤードくらい残ってました」。そこからピン8メートルほどに乗せて2パットボギー。

画像: 日本オープンという大舞台でも、稲森のティーショットはブレることがない

日本オープンという大舞台でも、稲森のティーショットはブレることがない

4番から8番までは全てフェアウェイキープ、もしくはパー3でグリーンをとらえて2パットのパー。今平と中野がフェアウェイウッドやアイアンでティーショットを打つなか、稲森はドライバーを振り続けた。

迎えた9番では、フェアウェイをとらえたもののセカンドでグリーン手前のラフへ。

「ラフtoラフを警戒しながら素振りをしたらクラブがスパーンって抜けて。ボールも“卍”みたいな感じに芝が絡まった中心にあったので上手く打てると思ったんですがフライヤーしちゃいました」

その後は順調にパーを拾い、12番のパー3では7mほどの下りのラインを読み切ってふたつ目のバーディ。スコアをイーブンに戻して大きな歓声を浴びた。

画像: 12番ホール、7mほどある下りのラインを読み切った

12番ホール、7mほどある下りのラインを読み切った

2日目のスコアは2バーディ2ボギーのイーブン。ティーショットでフェアウェイを外したのは前述の3番のみ。初日は100%だったから惜しい気がしてしまうが、2日目も92.86%という驚異の数字を叩きだした。

「バーディを獲りにいくようなコースじゃないので、とにかくティーショットをフェアウェイに置いて、セカンドもしっかり乗せて。チャンスにつけたらそこで初めてバーディが見えるのかなという感じでした。グリーンはマウンド越えがあったりもするのであまり油断できないんですけど、1ホール1ホールベストを尽くそうと思っていました。

画像: ティーショットでドライバー以外を選択する選手が多い中、稲森は12回ドライバーを振った

ティーショットでドライバー以外を選択する選手が多い中、稲森は12回ドライバーを振った

スタートする頃、昨日トップだった池村が落ちてきていたけど、今日自分があのスコア(3オーバー)を出してもおかしくないと思っていたし、スコアは気にしたらダメだと思っていたので、今日は1ホール1ホールパーで切り抜けて、長いところはラッキーでパーだったらいいなという気持ちでした。

3番のバンカーは入っちゃったけど、ドローで入って球筋的には良かったので、結果的にはミスだったけど、ショット的にはミスじゃなかったんです。雨が乾いてフェアウェイもちょっと転がりだしている感じがしたので、狙い目とか変えないといけないかなとは思いますが、戦略的にもやることは変わらないので、ここからだと思って上位争いのなかで引き続き頑張りたいです」

明日は11時44分に1番からスタート、木下稜介とのペアリング。

“このコースでは逃げるよりも追いかけたい”、そう話した稲森。1打差を追いかけてトップに立ち、そのまま逃げ切って日本オープン3勝目を挙げることもあるんじゃないかと密かに期待している。

PHOTO/Tadashi Anezaki

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