近年、増加傾向にあるインドア練習場。最近は上級者の利用も多く見受けられる。「週刊ゴルフダイジェスト」の10月29日号では、打ちっ放しとインドアの特徴を比べつつ、インドアの上手な活用法を紹介している。「みんなのゴルフダイジェスト」では2回に分けてお届けしよう!
画像: インドア練習場の賢い使い方。屋外の打ちっ放しとメリット・デメリットを比較【前編】

解説/吉田一尊プロ
“飛距離アップ請負人”の異名を持つプロでYouTube も大人気。自身でクラブ(グランディスタ)開発も行い、インドア練習場をプロデュースするなど、多方面で活躍

屋外・屋内のメリットデメリット

公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟の調査によると、全国にある練習場数は屋外型が2322、インドア型は1518(昨年10月31日現在)。前年に比べて屋外が42減ったのに対し、インドアは196増えたという。

確かに駅周辺などでインドア型を見ることが多くなったが、「屋外、屋内どちらにもメリット・デメリットがあります」と吉田一尊プロ。

「屋外のメリットとしては、曲がり方が目視できること。シミュレーターでもデータで曲がり幅はわ
かりますが、実際にどう曲がっていくかを目で確認できるのは大きいです」

「夏は暑く、冬は寒い」は屋外ならではのデメリットだが、メリットにもなるという。

画像: 屋外練習場

屋外練習場

「冬、寒いと着込んで球を打つことになりますが、そもそも冬ゴルフは厚着をしてプレーするわけで
すから、その時期の状況に即した練習ができるとも言えます」

ただし、無視できないのがレンジボールの存在だ。

「屋外型に多いレンジボールは軟らかく、飛ばなかったり、スピン量が増えたりするので実際の弾道
とは異なります。レンジボールでいい球が出ていたとしたら、本番で使うコースボールだとスピンが
少なすぎてドロップする可能性も考えられます」

打ちっ放しの メリット
①弾道が目視できる
データ計測器でも曲がり幅は表示されるが、データ上の「30ヤード」ではなく、実際の30ヤードの曲がり具合を自分の目で確認できるのは大きい。
②伸び伸び振れる
伸び伸びとクラブを振れる開放感、ボールがはるか遠くに飛んでいく爽快感を味わえるのは屋外ならでは。打ちっ放し派が多い理由の1つだろう。
③状況的にラウンドに近い
屋外なので天候の影響をまともに受けるが、ゴルフ自体が屋外スポーツなので、実戦に近い状況で練習できる。また、風のある日は風対策の練習も可能。

打ちっ放しのデメリット
①天候に左右される
冬の寒さも厳しいが、なんといっても夏の酷暑は厳しさを通り越して危険。ゴルフ場と同様、繁忙期と閑散期があるので年中通うのは難しい。
②アクセスが悪い
地方では必須の車だが、都市部では持たない人も珍しくない。屋外型は都心よりも郊外に多いため、練習場に行きたくてもなかなか行けない。
③打つことしかできない
トップトレーサーなどを導入する施設も増えているが、弾道計測器のない練習場ではスウィングの録画も弾道計測もできず、打つだけの練習に。
④レンジボールが多い
「ネットから出ると困る」などの事情で軟らかいレンジボールが使われやすい。コースボールとは飛距離や弾道も違うのでうのみにはできない。

一方、インドアは、「年中、快適な環境で練習できます。駅近の施設が多いですし、仕事場や家から徒歩圏内にあるのは便利です。また、トップトレーサーやトラックマンといった計測器でデータが取れる施設が多く、上手に使えばスウィングの改善に役立てられます」

ほかにもこんなメリットがある。

「屋外の練習場は概して上手な人が多く、初心者は気が引けて行きにくい面もあります。屋外がセレ
ブの社交場とすると、インドアはみんなが使う場所。周りの目を気にせずに利用できます」

画像: インドア練習場

インドア練習場

ただし、快適すぎる環境がデメリットになることもある。

インドアの メリット
①天候に左右されない
インドアなので、夏の酷暑も冬の寒さも関係なし。1年を通じて適温に保たれた室内で練習に集中できて、シーズンを選ばず通えるので上達のペースも早くなるかも。
②データを把握できる
クラブスピード、ボールスピード、スピン量、打ち出し角、落下角、ミート率、飛距離(キャリー、トータル)……。最新の弾道測定器はさまざまなデータを得られる。
③アクセスが良い
チェーン店系列を中心に、駅近の立地がどんどん増えている。仕事場や自宅から徒歩圏内にあれば、頻繁に通ってインドア通いを日常のルーティンに取り込みやすい。
④コスパが良い
月会費が定額制のところが多い。屋外に高速を使って車で行くと1回の出費が数千円になることも。インドアなら屋外2回分程度の金額で通い放題の店もあって超おトク。

インドアの デメリット
①打球が追えない
画面上に弾道の軌跡は表示されるが、打った直後のボールの行方を目で追うことができない。インドアなので当然だが、そこを重視する人にはマイナス。
②練習環境が良すぎる
冷房や暖房が程良く効いた快適な室内だが、この快適さが意外とクセモノ。これから冬を迎え、寒さと厚着で体が動きにくくなる現実との差は大きい。

「インドアで絶好調でも、コースに出れば他人の視線もあり、プレッシャーがかかってスコアがボロ
ボロになる人もいるでしょう。また、週2回みっちり打ち込むよりも、30分でもいいので毎日通ったほうが絶対に上手くなります」と吉田プロ。となれば、インドアの活用が上達への近道となりそうだが、後編では賢い使い方を学んでいく。

TEXT/Toshiaki Muraki 
PHOTO/Yasuo Masuda 
THANKS/ステップゴルフプレミアム銀座有楽町

※週刊ゴルフダイジェスト10月29日号「インドア練習場の賢い使い方」より一部抜粋

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