タイトリストの代表的選手であるジャスティン・トーマスはシュライナーズ・チルドレンズ・オープンに出場しなかったこともあり「まだ試せていないんだ」と苦笑い。だが「ずっとPro V1xを使ってきてどのバージョンも信頼性が高い。今回も間違いないと思う」と太鼓判を押した。
ウィル・ザラトリスも試せていないひとり。しかしトーマス同様Pro V1xには絶大な信頼を寄せている。
そんな中いち早く試合で使い始めたのがリー・ホッジス。昨年3Mオープンでツアー初優勝を飾った29歳はおよそ1カ月前からテストをおこないシュライナーズの前週に開催されたブラック・デザート選手権でニューボールを使用し今季ベストの8位に入賞した。
「Pro V1に期待するすべての要素をクリアにしていて、本当に素晴らしいボールです。なぜかって? それはテクノロジーが凄いからでしょう。僕もカラクリはわからないけれど(笑)」
「もっとも気に入ったのはオフセンターヒットしたときに打球がライン上に長くとどまってくれるということ。ミスヒットが許容範囲内に収まる。初めて試合でこのボールを試したときには打った瞬間“引っ掛けた。“ラフだ”と思ったらフェアウェイ左端にとどまってくれた」
「打感やフィーリングは良いまま変わらず。それに加えてボールスピードがアップしてミスヒットが長くライン上で耐えてくれるなんて信じられないボールですよ! 」
41歳のベテラン、ネイト・ラシュリーは「打感、スピン、コントロール性は前のバージョンと変わらないけれど確かに球は飛ぶようになった」と実感を込めた。
ZOZOチャンピオンシップでは練習場で選手が使えるよう「Pro V1」と「Pro V1x」の最新バージョンが用意された。
まだ変えていない選手も試してみてこれまでと変わらぬクオリティを実感していたがニューバージョンに飛びつかないのは実戦でボールがどう機能するかを重要視するからだ。
試合で結果が出たホッジスのような選手もいるが、じっくりテストをして試合で風が吹いたときにどんなパフォーマンスをするかなどの課題を「見極める時間が必要」という選手もいる。
裏返せば23年度版(あるいはそれ以前の)Pro V1、Pro V1xに満足している選手がいかに多いかということ。
しかし初代Pro V1、Pro V1xが2000年に発表され、その週に47人のプレーヤーが革新的ボールに切り替え圧倒的なパフォーマンスで結果を出したことを考えれば、2025年バージョンも来年ブームを起こす予感がする。