「長谷部祐とギア問答!」は、国内外大手3メーカーで、誰もが知る有名クラブの企画開発を20年超やってきたスペシャリストの長谷部祐氏に、クラブに関する疑問を投げかけ、今何が起こっているのか?その真相を根掘り葉掘り聞き出すものです。クラブ開発の裏側では、クラブ開発の裏側では、こんなことが考えられているようです……。

今後日本のメーカーがミニドライバーを作る可能性は?

GD アメリカの選手って、タイガー・ウッズを含め460ccに抵抗を見せずに行ったじゃないですか。タイガーは『イグナイト』の460㏄を早い段階で使用しました。それに対して日本のプロは、460㏄に抵抗を見せました。一番プロの要望に対応したのが「ブリヂストン」だと思うのですが、日本のメーカーはプロのために小さいヘッドを作り続けていました。

長谷部 10数年前の話になりますが、まだあの時はいろんなモデルが混在していた時代で、「小さくないと気持ち悪い」というプロがたくさんいました。「ブリヂストン」はツアー選手のサポートを重視していたのでやり続けていました。

でも、その他のメーカーはその必要性がないとなると、一気に売れ筋となる大きなヘッドだけを作るようになるので、1回は小さいヘッドを作るのをやめちゃいますよね。

GD 「キャロウェイ」も含めて戻ってきている。

長谷部 「キャロウェイ」のミニドライバーの開発はちょっと違うストーリーがあるんですけど、でも「テーラーメイド」の動きを横目に見ているわけじゃないですか「なんか売れているな、タイトリストもR&Aに申請して登録されているな、PXGも作っている」となると。そういうカテゴリーをさらに追随するメーカーが増えてくれば、ある一定の評価をされるようになってくるでしょうね、

GD そうなると日本のメーカーもミニドライバーを作るところが出てくる?

長谷部 開発する余力があるかどうかってことと、果たしてミニドライバーというネーミングでいいんですか? っていうとこも若干ありますよね。ミニドライバーって二番煎じ、2番手みたいに見られがちで、エースじゃないんだってとらえる人が多いと思います。

GD ミニドライバーはちょっと飛ばないイメージがあって、実際声を聞くと460cc、45.5インチの長いクラブに比べると、10~20ヤードと飛ばない。そうなると抵抗は生じてきます。今後、フルスペックのドライバーと同じ距離が得られるように進化するんですかね?

長谷部 フェアウェイキープ率みたいなところをどう考えるかってことだと思います。もちろんプロじゃないので、そんなにシビアな話は当然ないにしても、ラフに入れないほうがいい、OBが怖いホールにきた時に、ドライバーでまたミスをしてしまったというよりは、43.5インチもしくは43インチの3番ウッドよりはちょっと大きめのヘッドでまっすぐ飛ばせたらいいねっていう需要は少なからずあると思うんです。

ロングアイアンを抜いて1本短めのドライバーを入れるという選択肢は増えてもいいのかなっていう気がします。ZOZOに出場していたPGAツアープロの何名かミニドライバーを使用していました。PGAツアーよりフェアウェイが狭く左右に曲がっていて真っ直ぐ飛ばすよりコントロールしたいホールに対応するための選択でしたね。

GD ミニドライバーが飛ばないっていうのは普通のクラブに比べて1.5インチぐらい短いということだけですか?

長谷部 そうだと思います。短くなることで総重量が増えてしまって、ヘッドスピードが若干下がる。計算上ではそこにエネルギーロスが生じて、飛ばなくなることはあるんですけど、18ホールとか、10発打った時の平均飛距離はどっちが上ですか? となったら、アマチュアの場合は、逆転する可能性が十分あります。

1発の飛距離は45インチの大型ヘッドのほうがメリットがありるかもしれないんですけど、ミスをしたら200ヤードも飛ばない。250ヤード飛ぶこともあるけど、200ヤードもあるんであれば、43インチのミニドライバーで安定して230ヤード飛ばしたほうがいいかもしれないって思う人もいるはずです。

GD この先認知されてくるとミニドライバー市場はできあがってきますか?

長谷部 それは、ある一定の上級者だと思うんです。一般のアマチュアゴルファーはその都度スウィングが変わってしまってミスヒットが多い。そのミスヒットをカバーするためには、ある一定のヘッドサイズが必要なので460㏄のメリットはあります。

だけど、スコアを気にする、自分で弾道を操作をしたいという上級者にとってみれば、大型ヘッドにはないミニドライバーのサイズ感が重宝されるはずなので、総合的にはプラス方向に働き、定着する可能性はあるでしょうね。

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