今年の元日の地震に続き、9月の豪雨で大きな被害を受けた能登半島。その穴水町の七尾湾を望む景勝地にある「ザ・CC能登」が去る10月26日、復旧半ばの9ホールを使って仮オープンにこぎ着けた。オープン期間は11月24日までの約1カ月。佐竹輝昭支配人が事情を説明する。
「仮オープンは9ホール営業でプレーのみとなります。地震で半壊したクラブハウスもレストラン
も風呂も使えませんし、配管の修復が難航している状態だとはいえ、『1日も早く皆さまにゆとりある生活が戻るように』と取り急ぎ、仮設トイレを間に合わせました。1カ月後には一旦クローズし、クラブハウスなどの本格的な復旧工事に入ります」
地震直後は道路や水道などの公共インフラの復旧に建設作業員や資材が回され、またゴルフ場スタッフも被災者となっているため、復旧は遅々として進まなかったが、ようやくたどり着いた仮オープン。では、なぜ1カ月だけの仮オープンとしたのか?
「地元の人は皆、家も仕事も失い、仮設住宅暮らしで、もちろん娯楽もありません。そういう地元の人たちに、せめてゴルフで貢献できないかと踏み切ったのです」
地元の人が対象だから、料金も格安。9ホールでメンバー2500円、ビジター3500円(いずれも税込)とした。プレーできるのは水・土・日の3日間のみとし、スタート時間も8時30分から14時までと限定的だ。では、その後の予定はどうなのか?
「ともかくクローズ期間中にクラブハウスや崩れたフェアウェイの修復、配管の修繕をして、来春までには18ホールで本格再開させたいと考えています」
なお、同コースはクラブハウスやコースの復旧資金に充てるため、現在クラウドファンディングで募集中。目標は1500万円。奥能登唯一のゴルフ場を復活させ、地元住民の笑顔と活力につなげたい
という試みに、ぜひ全国のゴルファーからの支援が届いてほしい。
※週刊ゴルフダイジェスト11月26日号「バックナイン」より一部抜粋