
最終戦の日本シリーズで賞金王レースを争う6人。左から木下陵介、今平周吾、平田憲聖、金谷拓実、岩田寛、石川遼(撮影/姉崎正)
賞金王の可能性がある6人の初日の成績は賞金ランクトップの平田が1バーディ、3ボギーの2オーバー72で19位、2位の金谷拓実が1オーバー71で17位、3位の今平周吾は3オーバー73で24位、4位の岩田寛と5位の木下陵介がイーブンパー70の12位、6位の石川遼が今平と並び24位となった。
この6人が賞金王を獲得するには、今平、岩田、木下、石川は優勝が絶対条件。今大会の優勝賞金は4000万円、2位1500万円で平田と2500万円差以内の木下までは優勝すれば無条件で逆転賞金王が決まる。石川は平田が単独2位以上の場合は逆転できない。
5番でボギーが先行した平田は6番ですぐにバウンスバックしたが、流れをつかめず、後半の13、17番でボギー。好スタートを切ることができなかった。
「風がそんなに吹いていない状態まではそんなに難しくなかったけど、その時間帯に伸ばせなかったし、風が吹いてきてから我慢のゴルフができなかった。去年出場したときとはメンタル面が違う。明日以降伸ばしていくしかない」
他の5人も出遅れ感があり、金谷は「アイアンショットがよくなかった。修正して明日以降たくさんバーディが取れるように頑張ります」、前週優勝の勢いを生かせなかった岩田は「あんまりよくなかったです。模索しながらプレーしていました」、大逆転を目指す石川も「こういうこともあるので仕方がないですし、ここからだと思うので、しっかり追い上げていければいいかなと思います」と悲壮感を漂わせた。
賞金王候補6人の先行きに不透明感が漂うなか、細川が優勝を含めた今大会の出場経験を踏まえて、賞金王の行方を占った。
細川はまず最初に賞金王を獲り切るための大事なこととしてメンタルの持ち方を挙げた。
「賞金王と騒がれるし、プラスに体が動いていいほうにいけばいいけど、たいていは体が動かなくなることが多い。考えていませんと言っても安全にいったりする。手打ちになって体が回らなくなる。曲げたくないからね。それで余計に曲がる悪循環が起こる。今まで通りのスウィングを取り戻すためには勝ったときの映像を見るといいと思う」
自らがコースセッティングアドバイザーを務めるコースについての自身の感想も語った。
「曲げたくないコースだけど、スコアが出るコースでもある。寒さで体が動かなくなることには注意したい」
賞金王の行方については「6人全員にチャンスがある」とした。
「平田プロの順位を見ながらの戦いになる。平田プロは開き直れればいいけど、プレッシャーになることもある。選手それぞれの目標の持ち方で気持ちが変わる。2日間終わって誰が上にいくか楽しみ」
そしてやはり勝敗のカギには名物ホールの18番パー3を挙げた。
「石川プロは2度勝っているから得意なコース。ただ6人とも合っていると思う。18番がグリーンは仕上がっている。18番は1日でバーディが1人出ればいいくらい難しいから、最後まで賞金王レースは分からないんじゃないか。上1メートルより下り3メートルのほうが選手は打ちやすい。優勝スコアは予想15アンダーかな」
残り3日間、どんなドラマが待っているのか。