今年の男子ツアーは最後までもつれにもつれた。最終戦「日本シリーズJTカップ」(東京よみうりCC・11月28日~12月1日)を前に、平田憲聖、金谷拓実、今平周吾、岩田寛、木下稜介、石川遼と、史上最多の6人に賞金王のチャンスがあったが、結果的にこの試合を制したのは公式戦にめっぽう強い南アの実力者ショーン・ノリス。賞金ランク1位で最終戦を迎えた平田と2位の金谷の賞金差はわずか300万円弱だったが、平田はこの試合を単独17位で終えて194万7593円を加算。追う金谷が単独で3位1000万円を加算したことで、金谷が初の賞金王に輝いた。
画像: 日本シリーズ最終日、単独3位に入り、賞金トップの平田憲聖を逆転して、賞金王に輝いた金谷拓実(撮影/姉崎正)

日本シリーズ最終日、単独3位に入り、賞金トップの平田憲聖を逆転して、賞金王に輝いた金谷拓実(撮影/姉崎正)

「ルーキーの時は賞金王は通過点という思いもありましたけど、去年からその重みを感じていて、今年も平田選手のプレーは素晴らしかった。彼が今年ツアーを引っ張ってくれた。彼のおかげでツアーのレベルも上がったと思いますので、彼に感謝です」(金谷)

画像: 17位に終わり賞金王の座を逃した平田憲聖(撮影/姉崎正)

17位に終わり賞金王の座を逃した平田憲聖(撮影/姉崎正)

「もちろん悔しいですし、でも今週(日本シリーズ)に関しても金谷さんは本当に素晴らしいプレーをしていたと思います。この結果は今週だけで決まったわけじゃなく、1年通しての結果が今の結果だと思います。本当に金谷さんは 1年通して素晴らしいプレーをしていたと思います。」(平田)

と、互いの存在を讃え合った金谷と平田。金谷は日本ツアーの賞金王となったことでDPワールド(欧州)ツアー出場権を獲得。そのうえで、3日からの米ツアー出場権をかけた2次予選会に挑む。そして平田も11月の三井住友VISA太平洋マスターズ終了時点の賞金ランキング1位の資格で、12日からの米ツアー最終予選会に挑戦する。日本ツアーは終わったが、彼らの2024年の戦いはまだ終わっていないのだ。

画像: 石川遼(写真右)ら最終戦まで男子ツアーを盛り上げた選手たち(撮影/姉崎正)

石川遼(写真右)ら最終戦まで男子ツアーを盛り上げた選手たち(撮影/姉崎正)

さて、ここで賞金ランクトップ10の顔ぶれを眺めてみよう

1位 金谷拓実

2位 平田憲聖

3位 ショーン・ノリス

4位 岩田寛

5位 今平周吾

6位 木下稜介

7位 石川遼

8位 清水大成

9位 桂川有人

10位 小木曽喬

金谷、平田、清水、桂川、小木曽と10人中5人が20代というフレッシュな顔ぶれが並ぶマネーランクとなったが、近年の日本ツアーは若手が賞金王や賞金ランク上位に入り、その後世界の舞台に飛躍していくという流れができている。

昨年の賞金王・中島啓太はその資格で出場権を得たDPワールドツアーで今年勝利を挙げて最終戦にまで進出。世界で戦う足場を固める充実のシーズンを送った。

2022年の賞金ランク2位の星野陸也はDPワールドツアーのポイント上位の資格で来季は米PGAツアーの出場資格を獲得している。

日本ツアー賞金王のタイトルは、今や世界への切符、特急券のような位置付けになりつつある。日本ツアーを足がかりに世界へ。そう野心を燃やす若手が腕に磨きをかけることで、全体がレベルアップし、それはツアー自体の盛り上がりにつながっていきそうだ。

日本ツアーで大暴れして世界へと突き進んでいく。かつて松山英樹が歩んだような道のりをなぞる若手が次々と現れてきそうな、男子ツアーはそんな予感に満ちている。

金谷拓実が逆転賞金王をつかむまで

This article is a sponsored article by
''.