
2年連続で惜しくも優勝を逃した中島啓太(撮影/姉崎正)
今季DPワールドツアー(欧州ツアー)を主戦場にしていた中島にとって、同ツアーの「ヒーローインディアンオープン」優勝者の資格で挑んだ今大会は今年の日本ツアー出場3試合目。
地元・埼玉開催の日本オープン。優勝を狙える位置で最終日を迎えながら伸ばせず6位の不完全燃焼で終えたこともあっての参戦となったが、3日目までは欧州ツアー優勝者、そして昨年の賞金王としての実力を遺憾なく発揮し、「さすが」というゴルフを見せてくれた。
だが、最終日は「73」とスコアを落とし、4位で終戦。思えば昨年の「日本シリーズ」では今年と同じように初日から3日目まで首位を快走しながら、最終日に同学年の蟬川泰果に逆転されての2位に甘んじた。同じ展開で迎えた今年だったが、昨年の雪辱は果たせず、自身初の「完全優勝」は来年にお預けとなった。
とはいえ、中島啓太の今年が飛躍の年だったのは間違いがない。ルーキーとして挑んだ欧州ツアーで初優勝、年間ランキングは35位でフィニッシュし、上位50選手だけが参戦できる最終戦「DPワールドツアー選手権」では7位と、大いに爪痕を残した。
「ケガに悩んだ1年でした。来年は1月からドバイで DP ワールドツアーが始まるので、来年はDP1 本に集中していこうと思います」(中島)と、来季は欧州でさらなる飛躍に期待がかかる。
賞金王の行方は、「日本シリーズ」を単独3位フィニッシュした金谷拓実が初戴冠。シーズン4勝を挙げて今年の男子ツアーをリードし、最終戦をランク首位で迎えた平田憲聖は17位に沈み、惜しくも賞金王のビッグタイトルを逃す形となった。
中島と平田にとっては悔しい結果となった2024年の日本シリーズJTカップ。しかし、同じ24歳の若武者ふたりは、この悔しさをバネに来シーズン更なる飛躍を遂げてくれるに違いない。世界を目指す彼らの活躍がますます楽しみになる、シーズン最終戦だった。