ロボット&ヒューマン試打でわかった「TW767」の真の実力

HONMAの酒田工場にある全長400Yを誇るテストセンター。契約選手も訪れ、テストを行うエリアだ
HONMAの歴史も最新のテクノロジーも詰め込まれた「TW767」。気になる性能はいかなるものか。酒田工場は、全長400ヤードを誇る広大なテストセンターを擁する。まずは試打ロボットで性能をチェック。訪れた日は快晴微風の試打には絶好のコンディション。
カーボンボディとは思えない快音を響かせながら、青空にボールが吸い込まれていく。

TW767/10.5度
・ヘッド速度 45.2m/s
・ボール初速 65.0m/s
・打ち出し角 12.6度
・スピン量 3,008rpm
・最高到達点 33.8Y
・キャリー 233.8Y
・トータル 252.9Y
TW767 MAX/10.5度
・ヘッド速度 44.9m/s
・ボール初速 64.1m/s
・打ち出し角 14.6度
・スピン量 3,244rpm
・最高到達点 38.0Y
・キャリー 228.7Y
・トータル 244.9Y
TW767 LS/10.5度
・ヘッド速度 44.7m/s
・ボール初速 64.8m/s
・打ち出し角 13.7度
・スピン量 2,901rpm
・最高到達点 35.3Y
・キャリー 234.5Y
・トータル 252.9Y

各モデル10球をヘッドスピード45m/sで打った時のボールのまとまり。ドローバイアスのMAXがセンターから左に寄っているのが見て取れる
上がテスト結果。ロボットが打つのでもちろんミスショットはないが、それでもスタンダードのボールのまとまりが際立つ。そして、LSに負けず劣らずの飛距離にも注目だ。そしてMAXは右に行く気配がない。3モデルの性能差がしっかりと表れた。
しかし、ロボットは感想を言ってくれない。HONMAが重んじる感性の部分を含めてヒューマンテストも行った。試打は数多くのヘッド、シャフトのテストをこなしてきた平野義裕氏にお願いした。

東京・スイング碑文谷内にある「クールクラブス」のカリスマフィッター。試打したクラブは数知れず
「正直、HONMAのドライバーを打つのは久しぶりです」という平野氏。それだけに進化が楽しみだという。
まずは、TW767(スタンダード)から。
「構えると10Kモデルとは思えない。もちろん投影面積はそれなりに大きいのですが、スッキリした顔です。他の10Kをうたうモデルとは明らかに異なります。ヘッドシェイプも真っすぐ後ろに伸びているので、非常にオーソドックス。これなら違和感がありませんね」
打つと、弾くというよりも吸い付いて、芯を感じるという。

「吸い付く打感が気持ちよく、芯のぶ厚い当たりも感じる」(平野)
「これは打感が気持ちいいです。プロや上級者でも満足する音とフィーリングだと思います。そしてフェースが向いた方向に素直に飛んで、曲がりが少ない。それでいてちょっとドローに入れたり、フェードの感じで打つとそれなりに反応してくれる。そして、私的にはスピンが少なく飛距離も稼げました。飛ぶし、安定感もある。今年打った中でも、相当上位に来る出来栄えのドライバーですよ」
スタンダードモデルがかなり気に入ったという平野氏。続いてはTW767 MAX。

「ヘッド後方の重りの境目の線によってインサイドアウトに振りたくなる」(平野)
「スタンダードと比べると打感が軽やか。でもいい打感です。スタンダードでも感じましたが、球の食いつきがいいですね。打ちたい方向に押し込んでいける感じがある。つかまり感も気持ちいいです。そして、後方ウェイトの境目の線。確かに自然にインサイドに引ける感覚があって、ドローバイアスがさらに生かせそう。テークバックだけでなく振り抜いていく方向もインサイドアウトにガイドしてくれる、そんな視覚効果を感じます」
そして3モデル目はLS。

平野氏は280ヤード超えを連発!
「これは明らかに小さく感じます。フェース角も右に逃げている感じでハードな印象。打感は、スタンダートよりも軟らかく感じますね。左に行かない安心感があるので、ドローボールで距離を稼ぎたくなるモデルです。試しにトウ側が重くなるようにウェイトを動かすと、ボール初速がさらにアップして、これが一番飛びました。飛びのポテンシャルが高いです」

重りの向きを変えてトウ側を重くすると、さらにぶっ飛んだ
寛容性のスタンダード、とにかくドローが打ちやすいMAX、プロ、上級者も叩けるLS。三者三様の個性が明確に分かれ、そこに豊富なシャフトの選択肢も加わることで、自分のポテンシャルを存分に発揮できる、そんな体験がTW767なら叶いそうだ。HONMA伝統のクラブ作りと最先端のテクノロジーが融合した最新モデル、一度試してみても決して損はないだろう。
PHOTO/Takanori Miki