▶早速試打動画をチェック!
今回発売の『Qi35』シリーズのドライバーは、スタンダードモデルの『Qi35』、大慣性モーメントで寛容性が高い『Qi35 MAX』、ロースピンモデルの『Qi35 LS』、軽量モデルの『Qi35 MAX LITE』の4つの機種が投じられる。なお、松山英樹が歴史的スコアで圧勝した「ザ・セントリー」で2位に入ったコリン・モリカワは『Qi35 LS』を使用し、話題になっている。
今回は、4つのモデルの中から、スタンダードモデルの『Qi35』 の10.5度を、ヘッドスピード45m/s、42m/s、40m/sで打ち比べてみた。

ザ・セントリーで『Qi35 LS』を使用したコリン・モリカワ(撮影/Blue Sky Photos)
試打クラブはテーラーメイド『Qi35 』でロフト角は10.5度。装着シャフトは『ディアマナ シルバー TM55』(flex S)だ。使用球はいつものように、タイトリスト『プロV1』。
『Qi35』の35の意味は、3は『Form(形状)』『Function(機能)』『Fit(フィッティング)』という3つの柱を表している。5は『5つのモデル』ということだ。
試打の前に小島プロから『Qi35』のヘッドの特長の簡単な解説を聞いてみよう。
「テクノロジー的にはCG(重心)プロジェクションをフェースのセンターから下がるのが今回のチャレンジということです。つまり重心を下げたわけですね。あと『Qi35』には可変ウェイトがヘッドの前後についていて、出荷時の標準の配分は前に軽いウェイトが3g、後方に重いウェイト13g。標準のウェイト配分の時の慣性モーメントは9000g・cm2以上。重いウェイトを前に配した場合は8000g・cm2くらいということです」
次に、癸生川プロの見た目の印象は「(前モデルの)『Qi10』と比べたら大きくなったような見え方です。マットなグレーで色合いがシックでカッコ良くて、フェースのカーボンがブラックになって凄く綺麗。逆にヘッド全体の色はシルバーで、ブラックよりも難しさを感じさせない」という。

テーラーメイド『Qi35 ドライバー』(撮影/有原裕晶)
癸生川プロが試打開始
●45m/sで打つ
打球は高弾道で、センターから1.9度左に打ち出して、飛球は3.3度右に傾きながらセンターから3.2ヤード右に着弾したフェードボール。

ヘッドスピード44.9m/s、センターヒットでのデータ
HS45m/s前後で打ったデータ
<トラックマン4>
クラブスピード●44.9m/s
ボール初速●65.4m/s
打ち出し角●12.2度
スピン量●3148rpm
降下角●42.3度
キャリー●228.0Y
飛距離●244.6Y
打ち出し方向●1.9度左
スピンアクシス●3.3度右
SIDE●3.2Y右
<GCクワッド>
Hインパクト●5ミリヒール
Vインパクト●2ミリ低
癸生川: 打感は軟らかい。見た目の印象は大きいヘッドと言いましたけど、普通、大きいヘッドはダウンスウィングで“もたつく感じ”があるんだけど、このヘッドはそれがない。ヘッドが大きいけど、スウィングにスピード感があって振りやすい。
小島: 風がアゲンストなので、初速と飛距離が思ったより出ていません。また、落下の角度は42.3度です。この角度が40度を超えてくるとまあまあ高い。これはスピンが3148rpmと多いことと、シャフトが軟らかいことなどが影響しています。あとロフト10.5度ですが、癸生川プロくらいのヘッドスピードの人が使うのなら9度が良い。弾道は1.9度左に打ち出してから、3.3度右に傾き、3.2㍎右に着弾した、綺麗なフェードボールです。
●HS42m/s前後で試打
打球は中弾道で、センターから1.3度右に打ち出して、飛球は0.5度右に傾きながらセンターから8.6ヤード右に着弾したストレートボール。

ヘッドスピード42.2m/s、センターヒットでのデータ
HS42m/s前後で打ったデータ
<トラックマン4>
クラブスピード●42.2m/s
ボール初速●62.4m/s
打ち出し角●11.4度
スピン量●3014rpm
降下角●39.2度
キャリー●213.0Y
飛距離●231.8Y
打ち出し方向●1.3度右
スピンアクシス●0.5度右
SIDE●8.6Y右
<GCクワッド>
Hインパクト●2ミリトウ
Vインパクト●6ミリ低
癸生川: HS42m/s前後のほうが飛び方は全然良い。気持ちスピン量が減っているような感じで、弾道も理想的です。HS42m/sで打った時も、45m/sと同じくヘッドの大きさの割に振りやすい印象ですね。球のつかまりはイイと思うけど、つかまり過ぎるということはないです。
小島: 打点が6ミリ下に当たっているので、そのぶんスピン量は3014rpmと多めですが、仮に真ん中に当たっていたら2000rpm台まで下がると思います。落下の角度は39.2度と30度台になっています。ヘッドスピードが落ちたなりのスピン量と弾道の高さにはなりましたけど、びっくりするほど少なくはなりませんでした。しっかり上がってくれるというのがこのヘッドの特性だと思います。
●HS40m/s前後で試打
打球は中弾道で、センターから0.8度右に打ち出して、飛球は9.3度右に傾きながらセンターから2.3ヤード左に着弾したドローボール。

ヘッドスピード39.9m/s、センターヒットでのデータ
HS40m/s前後で打ったデータ
<トラックマン4>
クラブスピード●39.9m/s
ボール初速●59.2m/s
打ち出し角●12.9度
スピン量●2286rpm
降下角●33.9度
キャリー●197.10Y
飛距離●223.0Y
打ち出し方向●0.8度右
スピンアクシス●9.3度左
SIDE●2.3Y左
<GCクワッド>
Hインパクト●8ミリトウ
Vインパクト●0ミリ低
癸生川: HS40m/sくらいで打つと、さらに良い見え方の弾道になりますね。球が強くなるし、スピードを落としても振りやすさも変わらず、ダウンスウィングでもたつくような感じもないです。
小島: 球筋がフェード系からドロー系に変わったので、スピードが落ちてつかまったぶん、スピン量が2286rpmまで減って落下の角度が33.9度です。この34度くらいの落下角の弾道って好きな人は多いです。ドライバーショットで球を上げたくない、でもある程度あって前に行ってくれるという感じ。弾道は軽いドローボールです。
45m/s、42m/s、40m/sとヘッドスピードで打ち比べてみたが、果たして最適ヘッドスピード帯は3つのうちどれなのか。二人で結論を探る。
小島: 『Qi35(10.5度)×ディアマナ シルバー TM55(S)』の組み合わせですが、どのスピード帯が合うと思いましたか?
癸生川: 40m/s前後じゃないですかね。45m/sくらいになるとちょっとしなりが多くなってコントロールしづらくなるのかなと思いましたね。
小島: 結果を見ると、スピードを落とすごとにつかまっている感じがするんですけど。
癸生川: ああ、打っていてもそう思います。
小島: 最後はドロー系の球になった理由は何でだと思いますか。
癸生川: それは多分、シャフト。ヘッドスピードが速いとちょっと戻って来ないかなっていう感じはちょっとありましたね。シャフトが動きやすい、だからつかまりやすいのかもしれないけれど。
小島: じゃあHS45m/s前後の人もシャフトを合わせてタイミングが合えば、振りやすくて、つかまるドライバーであると位置づけ?
癸生川: うん、いいと思います。
まとめ

試打を担当した癸生川喜弘(左)とデータ分析を担当した小島慶太(右)
最後に試打後の『Qi35』の感想は。
癸生川: ヘッドの大きさの割に、ダウンスウィングでもたつくことなく振れる、圧倒的に振りやすいクラブだという印象でしたね。
小島: カッコ良くて、ヘッドの大きさの安心感もあって、実際にミスヒットにも強いという結果も出ました。今回はやりませんでしたけど、ウェイトの交換で弾道も変わると思いますので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。
今回のガチ試打では、1月7日発売のドライバー『テーラーメイドQi35 』は、HS40m/sで打った時に最良の弾道のドローボールが出る結果となった。これを見て、さっそく試し打ちをしたいという人も多いのでは。
みんなのゴルフダイジェストYouTube・みんゴル試打班「ガチギアトラック」では、この『テーラーメイドQi35』のロフト10.5度のドライバーをヘッドスピード40m/s前後でトゥとヒールのオフセンターヒットをした時の寛容性の高さを考察している。今回は、試打スタッフ一同が驚くほどの過去イチの外れ具合の打点だったが、その曲がり幅の小ささい寛容性の高さに驚きの声も上がるという結果に。必見です。