2024年の「クラブ・オブ・ザ・イヤー」に輝いた『ブリヂストン 242CB+アイアン』は軟鉄鍛造らしい手に残る軟らかい打感、スッキリとした端正な顔、抜けの良さに加えて飛びとやさしさを搭載したツアーモデルです。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「兄弟モデルの241CB よりも幅広いゴルファーが扱える」といいます。ダウンブローに打ち込めるゴルファーを想定して開発された『241CB』と比較して、どんなゴルファーと相性が良いか分析してみた。

長いフェースなのに操作性が抜群!

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「MODUS3 TOUR105」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。

重心距離が短く、ネック軸回り慣性モーメントが小さいので操作性は抜群

クラブ長さが37.0インチと標準ですが、クラブ重量が420.8グラムとやや重いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが271万g・㎠と大きくなっています。計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが45m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。

ヘッドは兄弟モデルの『241CB』よりも少しフェースが長く、スコアラインも長く入れられています。またソールの幅が『241CB』よりも少し広く、やさしさ感が出ています。そしてフェース下部が中空構造なので、キャビティ部分に肉厚感が出ています。

実際に試打したところ、アドレスでフェースのリーディングエッジが丸みを帯びているので、米国モデルのようなイメージが湧きます。『241CB』よりもフェースのトウ側の高さが高いので、アップライト感が出ています。そしてネックの位置と曲がり感から実測のFP値(フェースプログレッション)よりもグースネック感があります。

左から『241CB』、『242CB+』の#7。『242CB+』はストレートネックの値ながらもグースネックのように見える

試打シャフトは適度なしっかり感があり、ダウンブローに上から打ち込むスウィングにも耐えてくれるハリがあります。

ヘッド構造が『241CB』と同様に軟鉄鍛造ヘッドなのでインパクト音が低く、打感が軟らかく感じられます。リアルロフト角が31.4度と最近流行りのストロングロフト設定ではないので、フェアウェイのあるがままの状態からでもボールが上がりやすいです。さらに『241CB』よりもヘッドが大きいので打っていてやさしく感じられます。

『241CB』よりもフェース長が長いですが、重心距離があまり変わりません。ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメント(基準値:5500〜5999g・㎠)が4879g・㎠と小さく操作性が良い性能です。インテンショナルにドロー、フェードと弾道を操作しやすくなっています。

ソールのバウンス角がやや大きめでソール面が丸いので、ダウンブローでターフを取るようなスウィングでのソールの抜け感が良く、またターフをほとんど取らないスイープなスウィングでも打てる設定です。

フェース面のSS(スイートスポット)はフェース中央よりも少しヒール寄りなので、ダウンスウィングで球をヒール側に引きつけて打てるフェード系プレーヤーにより向いているでしょう。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年2月11日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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