
昨年大会は竹田麗央が優勝。隣りに立つのはフジサンケイグループ日枝久氏
この大会は1982年から行われ、2005年から舞台を川奈ホテルGC富士コースに移し、今年で43回目となる予定だった歴史ある大会で、首都圏からも近く、青い相模湾と芝の緑が映える人気の大会でもある。
開催地の伊東市(静岡県)ではどのような反応なのか取材をしてみた。伊東温泉旅館ホテル協同組合の北村太一理事長は「冷静に見守り対応」と答えてくれたが、主催・放映がフジテレビだったことから「今回は開催を見送るだろう」と予測をしていたという。
温泉地の伊東市内には多くの旅館があるが、創業1889年、136年の歴史を誇る老舗旅館のホテル暖香園には毎年100名以上の運営スタッフが宿泊するがそれもなくなる。だが気持ちが上がらないまま働くのは良くないことから「前向きに」と若女将の北岡侑子さんは語ってくれた。
川奈ホテル近くのサザンクロスリゾートも通常、スタッフが30~40名ほど宿泊をするが「すべてキャンセルになるでしょう」との回答だった。
川奈ホテルGC富士コースで開催されることから多くのギャラリーが来場し、そのため伊豆急川奈駅から多数の送迎バスが用意される。だがバス1台7万円×10 台としても3日間で210万円が消えてしまうことになる。では川奈ホテルはどうだろうか。ホテルの関係者に話を聞いたところ、対応の詳細はまだ決定されていないようだが、影響は大きいようだ。
大会期間中、富士も大島コースもプレーの予約を入れていない。つまり、大会が中止になったことから少なくともプロアマ、指定練習日を含めた4月21~27日の1週間、富士、大島コースの36ホールが開店休業状態になってしまう。
もちろん、営業力を発揮してより多くのゴルファーを入れるように動くことになるだろうが、今からどこまで回復させることができるのかは未知数だ。この期間にコンペを開催したいという企業が早くも現れたそうだが、それもまだ決定ではない。
関係者による宿泊予約はあるが当然キャンセルになる。試合観戦のため宿泊を予約し、試合終了翌日の月曜日にトーナメント仕様のコースでのプレーを楽しみにしている客も毎年多数いるという。それらも開催されなければ当然キャンセルになることだろう。
それだけではない、試合期間中にはかなりの人数がボランティアで参加する。もちろん記者もいる。それらの交通費、宿泊、食費なども消費されないことになる。
ただ逆に考えれば、この期間中はまだゴルフ場も周辺も空きがある状態。春の川奈を満喫したい人には絶好だ。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年3月25日号「バック9」より