ツアーメンバーとして参戦5戦目での初優勝は、最終日に64と爆発し圧勝した竹田麗央選手。
中継を見ていて感じたのは日本でプレーする姿となんら変わりのないプレーぶりです。米LPGAではルーキーとして参戦しアウェイ感もあるはずですが、プレーでは堂々といつも通りの竹田選手の持てるパフォーマンスを発揮する姿が印象的でした。
プロゴルファーでもある母・哲子さんも帯同していることだけでなく、キャディに米・欧州・日本ツアーでも活躍し08年の「全英女子オープン」で申ジエの優勝を支えたディーン・ハーデンさんとコンビを組んだことも大きなプラスになったはずです。
チーム体制は国内でも重要ですが、松山英樹選手の通訳でも知られるターナーさんのターナーコミュニケーションズインターナショナル社と提携し、チーム体制を整えたことも慣れない海外で普段通りにプレーするためには大きな役割を果たしていることでしょう。
スウィングは昨年までと大きく変わった点はありませんが、ドライバーのヘッドを浮かせたアドレスから早い段階で背中をターゲットに向け、深いトップを作ること、しっかりとエネルギーを貯められるフィジカルの強さも見て取れます。

ヘッドを浮かせたアドレスから深いトップを作る
トップで左腕が少したわんでいる点は、余計な力が入っていないことを表しています。
力みのないトップから下半身を使ってトルク(回転力)をかけ、ゆっくりと切り返すところが竹田選手の特徴です。

頭の高さを変えずに回転力を止めないことで正確なインパクト、大きなフォローへとつながっている
頭の高さをキープしながら回転力を止めずに振り抜いていることで、正確で再現性の高いインパクトを実現しています。
練習は、ウェッジのフルスウィングで20ヤードくらいしか飛ばさないドリルから始めますが、動き出しのタイミングを整える効果の高いドリルも続けていることでしょう。
参戦5戦目の優勝となったことで、複数回優勝の期待も高まります。竹田選手が勝ったことで参戦する多くの日本勢も「次はわたし」と刺激を受けたはず。米LPGAツアーからも目が離せなくなりそうです。
写真/姉崎正