結果を出している。パットに悩むゴルファーなら試してみたくなるが、どうやって打てばいいのかわからない……そんな人のために、週刊ゴルフダイジェスト3月18日号では長尺パターの“手引き”を紹介している。「みんゴル」では2回に分けてお伝えしよう。【2回中2回目】
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解説/武田登行プロ
豊富なアマチュアの指導経験を持ち、理論的なレッスンには定評があるスウィング研究家。松原ゴルフアカデミーのヘッドプロ
ツアーでも長尺パターが増えている!
長尺パターを使うために覚えるべきコツとは何なのか。武田プロに聞いてみよう。
「まずはアドレスからです。もちろん構え方は自由でいいのですが、ここでは初めて長尺パターを使う前提で、一般的な方法、つまり左手は胸の前、右手はその下を持って構える場合です。このときに注意してほしいのが、ボール位置を左目の真下にすることです。これによりストロークの最下点よりもわずかに先でインパクトを迎えるので、ほんの少しアッパー軌道でボールをとらえることができ、転がりがよくなります。
さらにボールの真上に目があることで、しっかりとラインを見ることができます。もうひとつの注意点が左わきを締めないこと。ここが締まると真っすぐ引いて真っすぐ出すというストロークがしづらくなってしまうので注意しましょう。左ひじを張るように構えるのがポイントです」

長尺パターのアドレスのポイントは、左目の真下にボールがくるようにすること。これにより最下点の少し先でボールをヒットでき、ラインもしっかり読める。左わきは締めずに左ひじを張る
次に打ち方のポイントについて武田プロに解説してもらおう。
「長尺パターを初めて使うという人は、クラブの重さにビックリすると思います。長さはドライバー
と同じくらいですが、重さは2倍以上あります。クラブ全体の慣性モーメントが大きいので、テークバックの始動が難しいと感じるはずです。そして多くの人が右手だけでクラブを動かそうとするので
すが、これではスムーズなテークバックはできません」
長尺パターを一度でも使ったことがある人は、その始動の難しさからテークバックでヘッドがふら
ついたり、思ったような軌道でストロークできずに難しいと感じたのではないだろうか。その原因は多くのゴルファーの“誤解”にあると武田プロは言う。
「数年前に『アンカリング(クラブを体に固定して支点にすること)』が禁止されました。これにより左手は体には触れないようにしつつも“固定する”と誤解している人が多いと思います。しかし、長尺パターを使いこなす最大のコツは“左手を使う”なんです」

ほうきで掃くように左手を使って打つのが正解
えぇーと驚いた人もいるのではないだろうか。左手を固定しなくてもいいと武田プロは言うのだ。
「長くて重いものを動かすにはパワーが必要です。それを右手だけでやろうとするとテークバックで
ヘッドがブレてしまう。左手を固定する人は、ストロークの支点がグリップエンドにあると勘違いし
ていますが、実際の支点は右手と左手の間です。そしてテコの原理を利用して左手でヘッドの進行方
向と反対方向に力を加えるとヘッドはスムーズに動きます。これは長い竹ぼうきを使うときと同じ要
領です。テークバックの始動で左手を少しだけターゲット方向に倒すと、驚くほどスムーズにヘッド
は動きます。そして、ストローク中に左手を意識するだけで、意のままにヘッドをコントロールできるようになります」
長尺パターに興味があるならば、武田プロの教えてくれたコツをぜひ試してみよう。
【ココが大事】
テークバックの始動でターゲット方向に左手を倒す
テークバックを右手だけで引こうとするとパターが重く感じるが、フォワードプレスの要領で、左手をターゲット方向に動かすと、テコの原理でスムーズにヘッドを引くことができる。

大切なのはてこの原理
しかし、こんな勘違いしていませんか?
●左手は固定する
●ストロークの支点はグリップエンド
↓
●左手はテコのように使う
●ストロークの支点は右手と左手の間

支点の位置に注意しよう
PHOTO/Shinji Osawa、Getty Images
THANKS/松原ゴルフガーデン
週刊ゴルフダイジェスト3月18日号「長尺パターはどう構えて、どう打つの?」より一部抜粋