今回はキャロウェイ『ELYTE ♦♦♦(エリート トリプルダイヤモンド)ドライバー』を紹介します。このモデルは兄弟モデルとは異なり、“360度カーボンシャーシ”と呼ばれるヘッドの中間部をグルっと一帯をカーボンで設計しています。カーボン使用率を高めたことで余剰重量を捻出し、鋭い弾道と飛距離性能をさらに高めたといいます。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「さらに操作性が進化している」と言います。前作の『パラダイム Aiスモーク ♦♦♦ドライバー』と比較しながら分析していきます。
画像: 【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●57.0度 体積●450cc 価格(税込)●10万7800円 ※メーカー公表値

【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●57.0度 体積●450cc 価格(税込)●10万7800円 ※メーカー公表値

『Aiスモーク♦♦♦』より、慣性モーメントが小さい

GD 今回はキャロウェイ『エリート♦♦♦ドライバー』(以下、エリート♦♦♦)を前作にあたる『パラダイム Aiスモーク ♦♦♦ドライバー』(以下、Aiスモーク♦♦♦)と比較しながら分析してもらいます。「パラダイムシリーズ」から冠されるようになった“トリプルダイヤモンド”と付くモデルは、シリーズの中では上級者向けの印象があります。

松尾 はい。ヘッドのサイズが小ぶりで、操作性が高く、他のモデルとは一線を画しているドライバーですね。

GD 今作はどんな特徴があるのでしょうか?

松尾 前作から継承されているポイントと、今作で進化した性能が見られました。

GD 最初に継承されているポイントからお願いします。

松尾 ヘッド体積を見てみると『Aiスモーク♦♦♦』は443cc、『エリート♦♦♦』が437ccとなっています。一般的なドライバーはR&Aのルール上限値である460ccを目指して作られていることが多いですが、両モデル共に小さく設計されています。
 
さらにフェース角が『Aiスモーク♦♦♦』、『エリート♦♦♦』はオープン2.0度と同じ設定です。小さいヘッドでおさまりが良く、ボールに対してフェースがかぶることなく素直に構えやすいところが変わらずに受け継がれています。

画像: 左から前作、今作のアドレスカット。小さいヘッド体積やオープンフェース、そして洋梨形状は継承されている

左から前作、今作のアドレスカット。小さいヘッド体積やオープンフェース、そして洋梨形状は継承されている

GD 進化した性能をお願いします。

松尾 ヘッド重量を比較すると『Aiスモーク♦♦♦』が201.0グラム、『エリート♦♦♦』が198.9グラムと2.2グラム軽くなっています。ヘッドの軽量化によって振りやすさを改善したい意図があるのかもしれません。この軽量化はヘッドの慣性モーメント(基準値:4600〜4799g・㎠)に変化があらわれています。『Aiスモーク♦♦♦』が4735g・㎠、『エリート♦♦♦』が4474g・㎠と小さくなっています。元々お助け機能を高めたミスに強いモデルではありませんが、よりシビアなミートを求められるヘッドになったと言えます。

ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメント(基準値:7000〜7299g・㎠)が『Aiスモーク♦♦♦』は7208g・㎠、対して『エリート♦♦♦』が6945g・㎠とさらに操作性が良いドライバーになりました。

画像: 左から前作、今作。赤丸で囲ったようにウェイトが2つ搭載されている部分は共通している。違いは前作はウェイトの合計重量が16グラム、今作は13グラムと軽くなっている

左から前作、今作。赤丸で囲ったようにウェイトが2つ搭載されている部分は共通している。違いは前作はウェイトの合計重量が16グラム、今作は13グラムと軽くなっている

GD なるほど。ヘッド重量が軽くなり、振りやすさや操作性が増したもののミスヒットへの強さは控え目になったわけですね。キャロウェイ『エリート♦♦♦』はどんなゴルファーにおすすめですか?

松尾 前作よりもヘッドが軽くなり振りやすくなってはいるものの、打点ズレへの強さが抑えられミスに強いドライバーではないので、正確に芯でミートする腕前が必要です。ここまでの分析を踏まえると、自在にフェースローテーションさせて打ち分けたいゴルファーは試してみると良いでしょう。

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