
AIはマキロイのショット直前にアプローチ成功率を予測し、バーディを的中した(撮影/Blue Sky Photos)
その日の天候などを加味して、コースのセッティングをAIによって行うのだ。今回のセッティングではティーとピンポジションだけとなったが、将来的にはフェアウェイの幅や新しいバンカーや樹木の位置などコンピューター上のイメージと共に「AIコースセットアップツール」を使うと、プレーヤーたちのスコアまで予想できるという。
加えて、AIがプレーヤーのショットのコメントまでしてくれるのだ。これは試合中、PGAツアーのサイトで、リーダーズボードからお気に入りの選手をクリックすると、ホールバイホールが出てくるが、そこにAIコメントが出てくる。
例えば、マキロイの3日目18番ホール・パー4の第2打では「フェアウェイから158ヤードのアプローチショット。グリーン左サイドのピンまで8フィート7インチ(約2.6メートル)に。この距離からだとカップインのツアー平均は45.01%の確率だが、マキロイは62.5%の確率で沈めることができる」なんていうコメントが出てくるのだ。
そして予想通りこのホール、マキロイはバーディ。ザ・プレーヤーズ選手権では池に浮かぶグリーンの17番パー3だけだが、事前にショットの予測もしていたのだ。
さらに、あらゆる映像があるので、ルールオフィシャルも「多分、ほとんどのルール上の問題を30秒以内で裁定できる」とか。
ちょっとひねくれた見方をすると、将来的にはツアーの人気を高めるためにスター選手に確率的に有利なコースセッティングをするなんてことも考えられないことはない。
もちろんそんなことはしないだろうし、やったところで実力がなければ、そう簡単には試合には勝てないのだが……。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年4月8日号「バック9」より