
試打・解説西田幸一
福岡県出身。専修大ゴルフ部を経て、大利根CCの研修生に。2016年プロテスト合格。現在はGスタジオに所属し、都内でアマチュアのレッスンも行う。ギアへの造詣も深い。
お助けクラブの代名詞”チッパー”
“チッパー”と言われてイメージするのがパター型のもの。パターのようにストロークするだけで、ストレスなくピンに寄せることができる、まさに“お助け”クラブだが、「アプローチが苦手な人ほどアップライトでグリップが太いものを選ぶといい」と西田プロ。

花道からの“転がし”だけじゃない球が簡単に上がるので”寄せ”のプレッシャーが減る!
「ライ角がアップライトになると、それだけ球に近づいて構えなければいけなくなるので、スウィングの再現性が上がります。加えて、グリップが太いと手のローテーションが使えなくなるので、手が悪さをしなくなって、ミスの減少につながります。
今回試打した3本は、いずれもアップライトでグリップが太めだったので、アプローチのミスが多くて苦しんでいる人にはピッタリだといえます。
またパター型はソールが広くて重心が低いので球が上がりやすいのも特徴で、フェース面がシャフトのラインより内側に入っています。無理に上げにいかなくても自然に球を拾ってくれて、ロフト角がついているので球が上がってくれる。ものすごく簡単です」
試打したチッパーはこちら!
アプローチが苦手なゴルファーにはやはりチッパー。ライ角があり、パターのように水平に動かすだけで再現性が高く、ミスになりにくい。さらにソールの幅が広いことで重心が低くなるので球が上がる。「転がすだけでなく、バンカーや障害物を越えたいときにも有効です」と西田プロ。
◆チッパー初心者ならこのモデル
グローブライドオノフ FROG'SRUNNING
●ロフト角/42度
●ライ角/70度
●長さ/34インチ
●総重量/507グラム
1本2万6400円

グローブライドオノフ FROG'SRUNNING
ポイント①フランジのサイトラインでターゲットに構えやすい
グリップは少し太めで、ライ角がアップライトなので、スタンスを狭めてそのままパターのようにストローク。フランジに白いサイトラインがあるので、ターゲットに対して構えやすいのもいいと思います。高さもかなり出るので、バンカー越えなど、幅広いシチュエーションで活躍するクラブだと思います」(西田、以下同)

高さもでるチッパー
ポイント②フェースが薄くて弾き感のある打感
「ワイドなソールでしっかり滑ってくれますが、フェースの裏側が空洞になっていて、フェースが薄いので弾き感のある心地いい打感です。ネックにはグースが入っているので地面に刺さることなく、自然に拾ってくれる感覚。球も上がりやすいので、パターのように構えて、振り幅で距離をコントロールするだけ。かなりやさしく感じます」

地面に刺さらない
◆オートマチックに打ちたいなら
プロギアR35 wedge
●ロフト角/35度
●ライ角/71度
●長さ/34インチ
●総重量/548グラム
1本1万9800円

プロギアR35 wedge
ポイント①太めの中尺グリップクロスハンドでさらに安定
中尺の太いグリップが装着されていて、シャフトも全くしならない。今回の中で一番パターの感覚で打てるクラブです。クロスハンドやスタンスを広げて打つことで、よりスウィングの再現性を高めることができます。チッパーの王道のようなクラブですが、細かいところまでよく考えられていると思います」

クロスハンドがいい
ポイント②多少のラフには負けない力強い挙動
「パターのようにストロークしただけなのに、結構スピンが入って止まってくれるのが印象的でした。ラフからも打ってみたのですが、多少のラフであれば芝の抵抗を受けることなく気持ちよく抜けてくれます」(西田)。R35以外にもロフト違いのR45、R55もラインナップされ、レディスモデルもある。

芝の抵抗を受けにくい
打感の軟らかさならコレ
オデッセイX-ACT Men’sチッパー
●ロフト角/37度
●ライ角/70度
●長さ/34.5インチ
●総重量/540グラム
1本1万9800円

オデッセイX-ACT Men’sチッパー
ポイント①幅広のソールで手前から入っても強い
「マレットパターのようにソール面が広いためかなり手前から入ってもソールが滑ってくれて球を拾ってくれるので安心感が半端ない。重心も低いので、バンカー越えなど高さを出したいときにも問題なく使えます。あごが高くなければ、バンカーからも使えそうなくらい、活躍するシチュエーションは多いと思う」

バンカー越えにも使える
ポイント②さすがオデッセイ樹脂の軟らかい打感
「オデッセイらしい樹脂インサートで、打感が軟らかく、距離感がすごく出しやすい。思い切って突っ込んでいけます。アライメントもパターのようで方向性が合わせやすいです。また、グリップエンドのほうが少し太めに設定されているので、クロスハンドグリップにして安定性を高めるのにもいいと思います」
後編ではチッパーはカッコ悪い……というゴルファーに”ウェッジ”をご紹介します。
PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara
THANKS/大利根CC
※週刊ゴルフダイジェスト4月1日号「プローチギア最強決定戦」より一部抜粋