
JGAが日本ゴルフ殿堂設立を宣言。左から山中博史氏、池谷正成氏、松井功氏、戸張捷氏
このほど、JGA(日本ゴルフ協会)は日本ゴルフ殿堂の設立を宣言した(今年4月1日より)。これによってプロを対象とした日本プロゴルフ殿堂は発展的解消をして、JGAの新組織へと継承されることになる。同プロ殿堂の歴史をおさらいすると──。
2010年に発足し、プロゴルフの発展・普及に寄与し貢献した人たちを顕彰してきた。23年までに特別賞を含めて、その数50名になる。戦前からのレジェンド、宮本留吉、中村寅吉、戸田藤一郎ら、女子では樋口久子、森口祐子らの名前が並ぶ。この試みは一定の成果は上げてきただろうが、プロだけではもう顕彰する人が”行き詰まって”きていたのも事実。
そこで、同プロ殿堂の松井功理事長はJGAに協力を求め、21年に日本ゴルフ殿堂準備委員会を発足させ、今回の発表に至った次第だ。
JGAの池谷正成会長は「(新組織では)これまでの顕彰者を引き継ぎ、プロだけでなく、日本のゴルフ界に多大な貢献をしたアマチュア、コース設計家、クラブ設計家、出版などあらゆる分野の方々を顕彰していきたい」と述べている。ただ、これまでの同プロ殿堂は仮想現実であった。つまり顕彰された人を偲ぶ縁(よすが)の”記念品”を現実に見ることはできない。
片や世界ゴルフ殿堂は、現在、米国パインハーストのUSGA(全米ゴルフ協会)本部にあって、充実したリアル展示を見せている。そこで「将来的にはJGAゴルフミュージアムへの移転も視野に入れている」(前出、池谷会長)ということだが、そのミュージアムの運営を巡って”揺れている”との声も聞かれる。
現在、同ミュージアムは廣野GCに置かれ、一般への公開は夏季冬季以外のみ。建物そのものも40年経過し、特に空調施設など老朽化して改修を迫られているという。越えねばならないハードルとはこれを指しているわけだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年4月8日「バック9」より