ヤマハレディースオープン葛城にて、全美貞とのプレーオフを制し2年ぶりの勝利を果たした穴井詩。女子ツアー屈指の飛ばし屋として有名な穴井は、2017年からのドライビングディスタンスで1位を2回、そしてすべてがトップ5に入っている。その穴井のドライバーを深堀した。

ドライバーのみ軽めの「C7」、0.75インチのチップカット

まず、穴井詩のクラブを紹介しよう。ヘッドはテーラーメイド『Qi35 LS』でロフト角は9.0度。シャフトはフジクラ『24ベンタス ブルー』でフレックスは5Sだ。

女子プロで9.0度はハードな気もするが、ドライビングディスタンスで上位に来るパワーヒッターの穴井ならではだろう。逆に、パワーヒッターなのに、シャフトのフレックスが5Sというのは少し軟らかいと感じてしまう。そんな穴井のドライバーで一番の特徴は「C7」という軽めのスウィングウェイトだろう。

スウィングウェイトとは、クラブの長さとヘッド重量から導き出され、A0~A9、B0~B9、C0~C9、D0~D9、E0~E9で表される。A0が一番軽く、E9が一番重いのだが、一般的に、スウィングウェイトが重たいほどヘッドを感じやすく、パワーヒッター向けと言われているので、穴井が「C7」というのは異質に感じる。

軽くした理由を穴井に聞くと「私はドライバーのみ軽くしているのですが、スウィングウェイトを軽くすると単純に早く振ることができるので、結果、飛距離が出るようになりました。試合で3日間、4日間連続で振ると、疲労もあって振り遅れてしまうクセが出る。軽くすることで疲れにくく、4日間、変わらないスウィングが可能になっています」と試合での体力などを加味したセッティングとなっている。FW、UTに関しては「一般的」といい、D1.5くらいとのことで、ティーアップを前提とするドライバーのみバランスを軽めに調整しているとのこと。

画像: ヒール側には4g、トウ側には3g、そしてバックウェイトにも3gを入れている。(ロフトは9度)

ヒール側には4g、トウ側には3g、そしてバックウェイトにも3gを入れている。(ロフトは9度)

穴井詩のドライバーの組み立てるテーラーメイドのツアー担当の鵜野晃行氏は、「ドライバーのシャフトは0.75インチのチップカットして組み立てています。去年のオフから試していて、『スピン量が減ってデータが良かった』と聞いています。ドライバーのウェイトも軽めの物を入れることで45.75インチでC7という軽めで組むことができています」。

フジクラのツアー担当近藤誠親氏によると「昨年オフの段階で『24ベンタスブルー』の5Xを試して、データは非常に良かったのですがややハードに感じたようです。切り返しのタイミングがSのほうが取りやすいらしく、そのタイミングを残しつつ、先端をカットして締めることにしました」とプロの感性によって今の組み合わせが生まれたという。

富士フイルム・スタジオアリス女子オープンは初日が雷雨のためサスペンデッドになったが、穴井詩は10番を終わって3アンダーで、暫定9位タイと初日から好調。2週連続優勝も期待される。

会場の石坂GCについて「アウトコースでは上手くいけば2オン可能なホールもある」と話しており、持ち前の飛距離というアドバンテージを活かしたプレーに注目したい。

穴井詩のドライビングディスタンス!

25年(4試合終了時):5位(253.21Y)
24年:4位(261.91Y)
23年:4位(258.53Y)
22年1位(257.49)
20-21年:3位(253.80Y)
19年1位(260.67Y)
18年:2位(258.05Y)
17年:3位(255.16Y)

※4月8日現時点

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