
近代ゴルフで初めてキャリアグランドスラムの偉業を成し遂げたのが1935年のジーン・サラゼンだった
マスターズの舞台、オーガスタナショナルGCを設計した球聖ボビー・ジョーンズが1930年、当時の世界四大タイトル(全米&全英アマチュア、全米&全英オープン)を1年で制覇し、グランドスラムと称され、今ではテニスなど多くのスポーツで用いられている。
ジョーンズの時代と違い、その定義はマスターズ、全米プロゴルフ選手権、全米オープン、全英オープンの四大メジャー全制覇を意味し、近代ゴルフで初めてその偉業を成し遂げたのが1935年のジーン・サラゼンだった。
イタリア移民の貧しい家庭に育った彼は10歳で家計を助けるためキャディを始めゴルフと出合った。19歳でプロデビューすると翌年全米オープンと全米プロに優勝。32年に全英、35年に第2回マスターズに勝ってグランドスラマーに。メジャー7勝を誇る。
2人目がベン・ホーガン。49年の自動車事故で再起不能といわれながら11カ月後に復帰大会で優勝した鉄人は、1953年の全英オープンでグランドスラムを達成。メジャーは通算9勝だ。3人目は1965年に全米オープンを制覇したときに達成したゲーリー・プレーヤー。そして、その翌年の1966年に帝王、ジャック・ニクラスが全英オープンで4人目として達成している。
記憶に新しい5人目はタイガー・ウッズ。2000年の全英オープンでグランドスラムを達成。00年の全米オープンから01年のマスターズまでメジャーで4連勝した。加えて彼はニクラスに次ぐトリプルグランドスラマー(各メジャー3勝以上)でもある。
そして今回のマスターズで11年ぶりのメジャー優勝を飾ったマキロイが偉大な先輩たちの仲間入り。今季メジャー初戦を制した彼にはジョーンズ以来の年間グランドスラムのチャンスがある。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年5月6日号「バック9」より