
距離は6543ヤード(バックティー)のパー70。海辺のリゾート地にあるロイヤルバークデール
改修のデザインを受け持ったのはマッケンジー&イーバート設計事務所。同事務所は近年、全英オープンを主催するR&Aの依頼を受け、開催コースの改修を行っていて、高い評価を得ている。
マーティン・イーバートは日本の廣野GCを改修、C・H・アリソンの原設計の世界へとレストアさせたことでも有名。同GCの改修は大胆に行われた。
5番と7番ホールを再設計し、既存の14番ホールを撤去。既存の15番パー5は新しい14番に、新しい15番はパー3へと変更。理由は他の3つのパー3(4番、7番、12番)と全く異なる方向を向かせるため。距離も150ヤードから240ヤードまでと変化に富み、リンクス特有の風をプレーヤーにどう読ませるか? を狙ったレイアウトなのだろう。
練習グリーンも新設。さらにティーとグリーンの周囲、バンカーのレイアウトも見直されている。それに経年劣化による排水パイプの交換など、ソフト面だけでなく、ハード面での改良工事も行われた。
また同GCは全英オープンのためだけでなく、会員のため、あらゆるレベルのゴルファーに配慮し、ティーをいくつか新設している。
「これまで2度レフェリーとして訪れました。高低差のある砂丘で、カットする樹木はなく、大幅な改修も可能で、今回はさらにリンクスのワイルドな原初の形を取り戻し、戦略性も増しています」(コース設計家、川田太三氏)
最初の全英開催は1954年。以来、これまで10回、来年開催で11回目になる。優勝者のスコアが伸びない難コースで知られ、全英100回目も同GCで開催された。日本のオールドファンに懐かしいのは、1975年、24歳の若者、鈴木規夫が単身同地へ乗り込み、10位となったことだろう。
変貌したバークデールに会うのが愉しみである。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年5月13&20日合併号「バック9」より