
セルフスタンドバッグ(サブバッグ)禁止の看板を掲げるコースも
スタンドバッグの持ち込みや使用を禁止するゴルフ場は増加の一途。今年4月にも男鹿GC(秋田県)、宮古CC(岩手県)、名岐国際GC(岐阜県)、福崎東洋GC(兵庫県)、広島国際GC、フォレスト南関GC(熊本県)などが禁止に踏み切っている。
大手ゴルフ場運営会社のアコーディア・ゴルフとパシフィックゴルフマネージメント(PGM)に確認すると、どちらもグループ一律の対応は取っていないという。
「スタンドバッグの利用可否につきまして、原則各ゴルフ場で取り決めております。県のゴルフ協会などが方針を出している場合には、その指示に従っているかと存じます」(アコーディア・ゴルフ広報部皆川典子氏)
PGMが挙げたトラブルの事例としては、
「グリーン上でスタンドバッグの脚を立て、グリーンが傷つく。スタンドバッグを車から降ろす際などにスタンドが引っかかり破損する。スタンドバッグをカートのカゴに引っかけて移動するうちに、重さでカゴが変形する。スタンドバッグを持ちながら片手でカートを運転しての事故。ネームタグが付いていない場合が多く、スタンドバッグの取り違えなどがあります」(マーケティング部・マーケティンググループ広報担当・前田聖美氏)
今は禁止していないコースもトラブルが増えれば考えざるを得ないだろう。
「スタンドバッグを禁止していないゴルフ場では、芝の保護などのマナーを守って、安全かつ快適なゴルフを楽しんでいただけるようご協力をお願いしたいです」(前田氏)
ちなみにコロナ前にいち早くスタンドバッグ禁止を掲げたゴルフ場に、匿名を条件に話を聞いた。
「グリーンへの持ち込みによるグリーン面の損傷、ベルトコンベアでの搬送中の破損、取り違えによるお客様からの理不尽なクレーム、カート積載時のカゴ破損などが発生。また、これらによるスタッフの対応が増え、心理的ストレスもありました」(支配人)
スタンドバッグの登場当初はプレー進行の促進やキャディの負担軽減が期待されたが、支配人いわく「プレー進行にどの程度よい影響があるかは不明です」とのこと。スタンドバッグの取り扱いについて、ポスターを掲示して注意喚起を促すも効果がなく、やむなく使用禁止とした。
ゴルフはプレーヤーが審判を兼ねるスポーツだが、ルールだけではなく、マナーにも厳格でありたい。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年5月27日号「バック9」より