近年のキャロウェイは初速性能を追求した『エピック』、『ローグ』。やさしさを高めた『ローグST』、『パラダイム』、『パラダイム Aiスモーク』というように、年単位でひとつの性能にフォーカスしたクラブを完成させてきました。そして歴代モデルで高めた初速とやさしさを融合させたのが新シリーズ『エリート』になります。今回はドローバイアス設計を謳うキャロウェイ『エリート X ドライバー』を紹介します。クラブ設計家の松尾好員氏は「つかまり性能だけでなく、他メーカーの“MAX要素”が盛り込まれている」と評価します。前モデルの『パラダイム Aiスモーク MAX-Dドライバー」と比較しながら分析していきます。
画像: 【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●59.0度 体積●460cc 価格(税込)●10万7800円 ※メーカー公表値

【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●59.0度 体積●460cc 価格(税込)●10万7800円 ※メーカー公表値

フェースがかぶって見えないつかまり顔

GD 今回はキャロウェイ『エリート X ドライバー』(以下、エリート X)を、『パラダイム Aiスモーク MAX-D ドライバー』(以下、Aiスモーク MAX-D)と比較しながら分析していただきます。キャロウェイの新シリーズとなる「エリート」は中間の立ち位置の『エリート(標準)』、プロモデルの『エリート ♢♢♢(トリプルダイヤモンド)』、振りやすさを重視した軽量設計の『エリート MAX FAST』、そして『エリート X』の4機種がラインナップされています。

松尾 前シリーズの「パラダイム Aiスモーク」も同様なラインナップで、今シリーズはその後継にあたる形になりますね。

画像: どちらともつかまり性能に磨きをかけた“ドローバイアス”だが、データを比較していくと今モデルならではの性能があった

どちらともつかまり性能に磨きをかけた“ドローバイアス”だが、データを比較していくと今モデルならではの性能があった

GD 『Aiスモーク MAX-D』はドローバイアスの立ち位置で、その後継に当たるのが『エリート X』になります。今モデルはどんな性能になっているのでしょうか?

松尾 見た目の部分ではつかまり感を持たせながらも、構えた時につかまり顔特有の、ボールに対してかぶる雰囲気を与えないようにしている意図を感じました。その変化はフェース角に表れていて、『Aiスモーク MAX-D』がオープン0.5度だったのに対して、『エリート X』はオープン1.0度とさらにオープンになりました。

画像: 『エリート X』はフェース角がさらにオープンになり、素直に構えやすくなった

『エリート X』はフェース角がさらにオープンになり、素直に構えやすくなった

GD つかまりの性能をキープしながら、見た目はスッキリと構えやすいことで、違和感なく振れる顔になったわけですね。前モデルから進化した部分はありますか?

松尾 重心設計が深く、長くなりました。重心深度(基準値:39.0~40.0ミリ)が『Aiスモーク MAX-D』の時は41.4ミリと深い設定でしたが、『エリート X』は44.3ミリとさらに深い設定になっています。続いて重心距離(基準値:39.0~40.0ミリ)は『Aiスモーク MAX-D』が40.8ミリと標準値よりもやや長い程度の設定でした。一方の『エリート X』 は42.0ミリと非常に長くされています。

画像: フェースがかぶって見えないつかまり顔

この『エリート X』のような深く長い重心設計と関連するのが、ヘッドの慣性モーメントになります。『Aiスモーク MAX-D』が5275g・㎠、『エリート X』が5557g・㎠とさらに大きくなりました。『Aiスモーク MAX-D』でも十分大きい値でしたが、今モデルはよりやさしさを求めた重心設計を目指したのだと思います。

GD つまり他メーカーで言うところのお助け機能を持たせた“MAXモデル”の性能と、つかまり優先のドローモデルの両方を担っているのが『エリート X』という見方ができそうですね。どんなゴルファーにおすすめのクラブですか?

松尾 他にもリアルロフトを比較すると『Aiスモーク MAX-D』は11.0度、『エリート X』は10.0度と厳しい設定になり、低い打ち出しで飛ばせるようになりました。兄弟モデルの『標準』、『♢♢♢』を分析した時にも同様な結果でしたから、「エリート シリーズ」はリアルロフトが小さい設定が標準なのかもしれません。
 
これらを踏まえると、癖のないつかまり顔で右を恐れずにクラブの力を借りてつかまえたいゴルファーは試されると良いでしょう。

▶︎▶︎▶︎次ページでは凄腕シングル松尾好員氏のキャロウェイ『エリート X ドライバー』試打インプレッションを紹介!

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